秋津壽男“どっち?”の健康学「健康維持のためのウオーキング“速度アップ=リスク高”だと自覚せよ!」 (1/2ページ)
暑い日が続きます。サラリーマンなら、朝の通勤時間帯は駅まで急ぐ人も少なくありません。夏バテ防止のためにも、今の時期はできるかぎり時間に余裕を持ちたいものです。
さて、今週は「歩き方」について考えてみましょう。ウオーキングは健康維持にベストな方法ですが、速く歩くのとゆっくり歩くのとでは、どちらがより健康的でしょうか。
速歩やインターバル歩行など、スポーツ的な歩き方は体力の増進につながります。しかし無理して速く歩いた結果、転んでケガをするようでは本末転倒です。
遅く歩けば体力増進の度合いは小さいものの、ケガの確率は小さくなります。健康のために歩く場合、長く続けることが肝心で、そう考えると「ゆっくり歩くほうが健康的」と言えます。
冒頭で申したとおり、人は通勤時に速く歩き、休日にはゆっくりと歩く人が多いと言えます。これは、通勤時は頭がオンになっており、休日はオフになっているからです。そう考えると「速く歩いている時はリラックスしていない」状況となります。
忙しい人が速く歩くのはしかたない面もありますが、歩く速度が速いほど事故の確率を高めます。若いサラリーマンでも速歩きでケガをすることがあるのですから、高齢者となればなおさらオススメできません。
また、同じウオーキングでも「健康のためのウオーキング」と「運動のためのウオーキング」があります。
最近は、腕を大きく振って歩くエクササイズウオーキングがはやっています。これは通常のウオーキングより歩幅を広く取り、歩行時のキック力を高めることで運動負荷を高めます。多くはダイエット目的であり、歩いているうちに息が上がり無酸素状態となります。
これは、医者の立場として、最もオススメできないスポーツであるランニングの領域に近づいてきます。
そもそもランニング自体、中毒性があり、長時間走り続けると気分が高揚して多幸感に包まれます。いわゆるランニングハイです。その結果、雨の中や寒い中で走り続けてしまい、突然死のリスクを高めます。
以前もお話ししましたが、運動には有酸素運動と無酸素運動があります。