関ジャニJr.が発展途上のお笑い芸人に奮闘するコメディ映画

まいじつ

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生』

松竹配給/8月26日より新宿ピカデリーほかにて公開
監督/石川勝己
出演/西畑大吾、向井廉二、室龍太、藤原丈一郎、草間リチャード敬太ほか

2013年の『関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲!』以来、関ジャニJr.と松竹がコラボした映画シリーズの第4弾。継続は力なり。しょせんアイドルの“余芸”みたいな映画、とヤユするのは簡単だが、4本も続けば形になり、それなりに固まってくるもの。とエラそうなこと言っているボクだが、何年か前までは“関ジャニ”に“ジュニア”がいることすら知らなかったんだけどね。

彼らはこのシリーズで、アクション俳優、忍者時代劇、ミュージカルと毎回題材を変えて奮闘する。その姿は“発展途上”の若者たちへのエールともなっている。そこで、今回はお笑い芸人ものに体当たり!

お笑い芸人ものの映画は、近年増えている。お笑いブームも関連しているのだろう。森岡龍と前野朋哉による『エミアビのはじまりとはじまり』(2016年)とか、あの“出家女優”の清水富美加と『SKE48』の松井玲奈による『笑う招き猫』(2017年)とか、いずれも“売れる”ことの大変さ、挫折することのつらさや切なさが描かれている。

今回はアイドル・コメディー調なので、そこまでシリアスではなく、軽いタッチなのだが、それでも未来へのそこはかとない不安、売れた同期への嫉妬など、お笑い芸人の“あるある”はちゃんと描かれている。石川勝己監督は松竹撮影所出身、テレビ版『釣りバカ日誌』シリーズを手掛けた人で“アイドル映画”でも手を抜かずキチンと撮っている。

青春コメディーの見本のような映画

同期でライバルの『ピンクらくだ』(向井康二、室龍太、草間リチャード敬太)に人気で抜かれ、ジリ貧気味のお笑いコンビ『エンドレス』(西畑大吾、藤原丈一郎)は、琵琶湖畔の旅館で“強化合宿”を行うが、そこへピンクらくだの面々がロケでやってきて、一触即発? という一席だ。部屋のダブル・ブッキング、幽霊騒ぎ、心霊スポットなどでドタバタを見せて、にぎやかに展開する。

メッセージとしては、たとえ少ない観客でも気合い入れて俺たちの芸を見せるぞ、という気概こそが“お笑い芸人道”! と実にまっとう。クライマックス、まるで“楽屋落ち”のように、松竹芸能・角座のある千日前から心斎橋まで、関ジャニJr.の面々がスピーディーに、アクロバティックに踊る! 走る! 飛ぶ! その躍動感、疾走感。多分、これを見せたくての92分(上映時間)だったのではないか、と思うほど。事実、この映画で一番ステキなシーンだ。いつの時代にも必要な“青春コメディー”の見本となっている。

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