24時間マラソン、ブルゾンちえみで高視聴率も「走る意味ない」と存続が物議

デイリーニュースオンライン

『24時間テレビ』マラソン打ち切りから一転、ブルゾンちえみ高視聴率獲得で「存続」へ?(写真はイメージです)
『24時間テレビ』マラソン打ち切りから一転、ブルゾンちえみ高視聴率獲得で「存続」へ?(写真はイメージです)

 今月26日から27日に放送された恒例特番『24時間テレビ40 告白〜勇気を出して伝えよう〜』(日本テレビ系)が、歴代2位タイとなる平均視聴率18.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。チャリティマラソンランナーを務めたブルゾンちえみ(27)が高視聴率の原動力となり、日本武道館でゴールテープを切る直前には瞬間最高視聴率40.5%をマークした。その一方でマラソン企画に対して「ブラック部活のようだ」「やる必要がない」との批判も発生し、賛否両論が巻き起こっている。

■ブルゾン活躍で高視聴率も…マラソン企画の存続に賛否

 今回はランナーが当日発表される初の試みとなったが、ネット上でランナー予想が盛り上がるなど注目度が高まり、結果的には高視聴率となった。だが、そのウラでは「マラソンは今年で最後」という局内ムードがあったという。

「実はマラソン企画は来年以降の打ち切りが検討されていた。今年は複数のタレントを候補にランナー選定が進められていたが、最終的に全員に断られてしまうという異常事態となり、ブルゾンちえみが緊急登板。そういったゴタゴタや警備上の問題、毎年伴走している坂本雄次トレーナー(69)の体力的な問題もあり、来年からマラソン企画はやめようという意見が強まっていたんです。ところが、高視聴率を受けて一転、局内では『存続』の機運が高まっています」(テレビ局関係者)

 28日付の『スポーツニッポン』でも局関係者の談話として「来年以降も続けられる手応えを得た」と伝えられており、高視聴率によって潮目が変わったようだ。

 ネット上でも「感動した」「ブルゾンすごい!」などと称賛の声が多数。その一方で「番組終了の直前にゴールするマンネリ感にうんざり」「走る意味がわからない」「ランナー発表の引っ張り方が視聴率稼ぎのバラエティーにしか思えない」などと批判が発生し、賛否両論の状態となっている。

■「ブラック部活」との指摘に反響…局の体質も影響?

 そんな中、朝日新聞東京社会部の原田朱美氏が26日付の自身のTwitterで「『善行』として走る訓練を充分にしてない素人をいきなり長距離走らせて、案の定体のあちこちを痛めて、それでも走らせて、苦痛に顔を歪める姿を『頑張ってる、素晴らしい』と感動することは、私はできないな」と持論を展開し、多くの賛同を集めた。

 原田氏は「ブラック部活に通じるものを感じる」とも指摘し、29日現在で2万6000件以上のリツイートを記録するなど反響を呼んでいる。

「当日発表が本当なら素人をいきなり走らせて苦しんでいる姿を見世物にしているようなものですし、もし事前に通知があったのなら視聴者を騙したことになる。いずれもバラエティ番組なら“演出”として許されるかもしれませんが、視聴者から善意の募金を集めるチャリティ番組としては批判されても仕方ない部分がある。今回のようなケースは『数字が取れれば何でもアリ』となりかねない危険性をはらんでいるといえるでしょう」(前出・テレビ局関係者)

 また、放送前には日本テレビの子会社に勤務する女性ADが8月8日に局近くのビルから飛び降りたという事件が『週刊ポスト』(小学館)で報じられた。

 女性の命に別状はなかったが、過酷な労働環境と激務のプレッシャーが飛び降りの原因になったとも伝えられている。ネット上では「地球を救う前にスタッフを救ってやれよ」「局がブラックだからマラソンがブラック部活化するのでは」などと揶揄されている状態だ。

 いくら視聴率が高かったといっても、このままバラエティ的な手法で関心を引くようなことをしていれば視聴者からの信頼は確実に崩れていくだろう。テレビ番組としては大成功したといえるかもしれないが、チャリティ番組という意味では大きな岐路に立たされているといえそうだ。

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
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