がん代替治療:小林麻央さんと北斗晶を分けたものは何だったのか|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

いままさにネット上でもニセ医学についての話題が沸騰しているのですが、とりわけ生死を大きく分けるがん治療についてはかなり分析が進んできています。
医学的な見地からきちんと早期から外科治療を行うことの多い標準医療と、温存療法や温熱療法など「切らずにガンは治せる」などと標榜して手術を行わない代替療法とでは、発覚し処置後の5年生存率に大きな違いがあることは、かなり報じられるようになってきました。
がんの代替治療は、5年以内の死亡率が標準治療の「最大5.7倍」だった:研究結果|WIRED.jp
この「5年死亡率が標準医療の5.7倍」というのは必ずしも正確な表現ではなく、また分かりにくいところではあるのですが、アメリカで最も多かった4種類のがん(乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん)の10年間の治験データを追跡した中で分かった内容です。結局は転移のない状態で早期発見されたがんを適切に切除処置するか、手術が困難でも適切な化学療法や放射線治療と、一部にはホルモン療法を行うことで5年以上延命できる可能性が高まる、ということになります。これを標準治療と言います。
逆に言えば、早期発見できても適切な標準治療が受けられなければ亡くなってしまうリスクが高いわけです。