【世界の図書館】南ドイツでもっとも美しい図書館のある「ヴィブリンゲン修道院」 (2/3ページ)
「知恵と学問の宝が全てここに集結する」という言葉が示すように、最盛期には1万5,000冊もの本がこの図書館に所蔵されていました。その数は当時のどの大学図書館よりも多い状況です。
かつてこれらの本棚には背表紙の白い本ばかりが並んでいたと言います。そのように本の色を白で統一する事により、部屋の色との調和させることが目的でした。また別の理由としては、豚の皮を使用した高額な表紙の代わりに白い紙を貼ることでコストを節約した、という事が挙げられます。
天井のフレスコ画にも目を向けてみましょう。フランツ・マルティン・クエンという名の画家が1744に完成させた見事なフレスコ画の中心には、天使たちに囲まれた女性が描かれています。これは「全ての物を支配する神の英知」を表しているのだそう。
天井と壁の境には様々な彫刻や絵画が施されており、実際はどこまでが壁でどこからが天井なのか、一目見ただけではなかなか区別がつきません。豪華な部屋といい鮮やかな天井フレスコ画といい、図書館というよりは1つの芸術作品の中にいるようです。