【新東方見聞録】仏像を巡るアジアの旅へ (2/3ページ)
中国の石窟仏像

それとは対象的に、中国の石窟仏には重厚な威厳が漂っています。
中国人はインドから仏教を組み上げ、それをオリジナル以上に複雑な体系宗教にした人々です。漢字という表意文字を駆使し、さらに世界一優れた記憶媒体である紙を使うことにより、仏教は世界宗教へと進化しました。
龍門石窟は、南北朝時代から初唐期までの間に確立された一大仏教遺跡。どっしりとした毘盧遮那仏が本尊です。

さて、ここで読者の皆さんに三国志を思い浮かべていただきたいと思います。あの時代、中国で信仰されていた宗教は儒教か道教でした。三国志では道教が非常に強い印象を残しています。その中で仏教はなかったわけではありませんが、まだこの時はマイナー宗教のひとつに過ぎません。
それが五胡十六国時代を経て南北朝時代、隋朝、唐朝に至る過程で、中国仏教は巨大化していきます。龍門石窟は、まさにその只中で築かれた石仏郡なのです。
仏教とは一庶民をも取り込んでしまうほど懐の深い宗教なのですが、それはすなわち「中国人の団結」を意味します。唐朝滅亡後は五代十国時代という戦乱期が50年ほど続きますが、それでも唐朝以前の中国史に比べたら内戦の期間が大幅に減少しました。
そして、中国で育まれた仏教文化は日本にも輸出されていきます。
ボロブドゥールの謎
一方で、東南アジアの仏教は彼の地に世界最大級のミステリーを残します。