世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第239回 失業率と実質賃金 (3/3ページ)

週刊実話

極端な書き方をすると、企業の所得(=利益)が拡大したとしても、労働分配率が下がると、従業員の給与はむしろ減る。
 財務省の'17年4-6月の法人企業統計調査によると、資本金10億円以上の大企業の労働分配率は、わずか43.5%。高度経済成長期だった'71年1-3月以来、何と約46年ぶりの低水準を記録した。大企業の労働分配率は、リーマンショック直後には65%に達していたため、落ち方は半端なものではない。
 企業全体の労働分配率は、リーマンショック直後に75%だったのが、直近では67.5%と70%を割り込んでしまっている。GDPが低迷し、生産が拡大しない以上、生産性は上昇しない。さらに、企業が労働分配率を引き下げている。

 安倍政権が実質賃金を引き上げたいならば、財政出動により需要=生産を安定的に拡大し、同時に労働分配率を引き上げる労働規制の強化に乗り出さなければならないのだ。とはいえ、現実の安倍政権は緊縮財政と労働規制緩和を推進している。現在の実質賃金の低迷は、安倍政権の経済政策の当然の帰結なのだ。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

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