トライアウトからリコーのイチバンへ。眞壁貴男、レギュラー争い真っ只中。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

タックルも低さで勝負。弟・照男さんは立教大ラグビー部のPRで3年生。(撮影/松本かおり)

 神鳥裕之監督にそのPRの特長について尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「体が小さいこと」

「彼自身がそう言っているんです。面白い男でしょ」

 トップリーグのナイトゲームも最終週の9月29日、第6節リコー vs NEC。

 安定感を身につけたスクラムでリコーが29-3で勝ち切ったゲームでは、途中出場の控え選手たちがチームのアクセルを踏んだ。

 本来は先発のFL松橋周平はもちろん、忠実なサポートでトライを挙げたPRマウ ジョシュア、そしてルースヘッドPRの眞壁貴男も。

 

 立教大学出身、身長170㌢の左PRはリコーで堂々3年目を迎えるトップリーガーだ。

 昨季出場時間は330分。3試合で先発も経験している。小柄だから誰よりも低くプレーできる。そう信じている。

 

 今季6節、後半38分、27-3にリードを広げるWTB長谷川元気のトライは、眞壁が起点になった。ラックで左へ左へと移動する連続攻撃のなかで、SOロビー・ロビンソンからボールを受けて鋭いゲイン。角度のついたランで相手守備の流れをせき止めた。内側にいた味方FWをおとりに使いつつ、飛び出してきた相手ディフェンスの裏でボールを受けるBKのような動きだった。背番号は17、左PRのプレーとしては目を引くものだった。

「PRなので、リコーに入ってからはスクラムのレベルアップに集中してきましたが、フィールドプレーはもともと得意でした。きょうはスクラムだけでなく、自分のプラスαの部分を見せることができて…ハッピー、です」

 試合後の人懐こい笑顔が乗った体躯は、他のトップリーガーに比べると一回り小さい。BKのようなボール感覚は、故郷・広島県の福山ラグビースクールで身につけた。強豪・尾道高校から立教大学へ進学したが、「卒業後は普通の就職を」と考えていた。その意識が変わったのは、大学3年時に就任したヘッドコーチ、遠藤哲氏(当時からU20日本代表監督)の影響が大きいという。

「遠藤さんの指導の中で、ラグビーって面白いと再認識した。

「トライアウトからリコーのイチバンへ。眞壁貴男、レギュラー争い真っ只中。」のページです。デイリーニュースオンラインは、スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧