世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第242回 デフレと人手不足を同時に解消する (2/3ページ)

週刊実話



 さて、日本銀行の短観=企業短期経済観測調査によると、企業の人手不足感が、およそ四半世紀ぶりの水準にまで高まっている。日銀の短観では、従業員の数について「過剰」「不足」の調査も行い、指数化している。短観指数のマイナスが大きくなるほど、人手不足と感じる企業が多いことになる。
 直近でのデータによると、大企業の人手不足感がマイナス18ポイント。中小企業がマイナス32ポイントで、全体ではマイナス28ポイントだった。現在の日本では、中小企業の方が人手不足感は強まっていることになる。全体でマイナス28ポイントという人手不足感は、'92年のマイナス31ポイント以来、およそ25年ぶりの数値なのだ。わが国の人手不足感は、バブル期に近付いていることになる。

 医療・福祉分野をトリガーとした人手不足が、他の分野にも波及しているのだ。何しろ、人口の瘤である団塊の世代が労働市場から退出したとして、それをカバーするだけの若い人材は参入してこない。
 外国人労働者を増やしたくないならば(増やしてはいけない)、わが国では各産業分野において「生産性向上」、厳密には生産性向上のための4投資(設備投資、人材投資、公共投資、技術投資)が必要ということになる。

 10月22日に投開票される予定の総選挙において、自民党の公約の中に、
 「人工知能(AI)など技術革新を活用した『生産性革命』を通じて所得を増やす。2020年までの3年間を『集中投資期間』として、大胆な税制、予算、規制改革などの施策を総動員し、企業の収益を設備投資や人材投資に振り向ける」
 と、生産性革命に関する記述がある。
 生産性向上を民間企業の投資にばかり依存するのでは、政府は不要だ。政府自らも生産性向上のための投資拡大に踏み切らなければならないのが、現在の日本なのである。

 一応、政府の生産性革命の詳細は、国土交通省の「生産性革命プロジェクト」としてオープンになっている。
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