ヴァイキングの死装束に織り込まれたアラーの文字が発見される (3/4ページ)
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image credit:Annika Larsson
・ヴァインキングはイスラムの思想も取り入れていたとする説
ラルッソンは、衣服にアラーの名がいつも一緒に織り込まれているのは、ヴァイキングがイスラム世界と交易していたのが品物だけではなく、埋葬の習慣や思想面も含まれていたのではと考えている。
「おそらく、ヴァイキングの時代の埋葬の習慣や、死後の楽園での永遠の命という考え方はイスラムの影響だと思います。異国の織物で繊細に織られた美しい衣服のような副葬品は、死者が日常生活で着ていた衣類を反映したものではなく、現代のわたしたちもそうであるように、ちょっとした公の装いだったのではないでしょうか。高価な材料で作られた副葬品は、それがもつ基本的な価値をはっきり示すものとして認識されるはずですから」
だがその説を裏付けるためにはさらなる調査が必要だ。
イスラムの服を着た被葬者がペルシャの出身者なのか、ヴァイキングがイスラムの服を着せられて埋葬されたのかを判断するための調査を行う予定だという。・イスラムシルクの織物は単に高級品だったからという説
だがそうではないとする説もある。
中世キリスト教の衣服に伝わるイスラムとビザンティン織物の影響を研究しているシドニー大学服飾史家のヒラリー・デヴィットソンは「イスラムシルクの織物の質は、ヨーロッパじゅうにあるキリスト教会で司祭がまとうゆったりしたローブ型の祭服として重宝され、広く採用されています」と語る。
「ヨーロッパでのイスラムの服は、宗教的な意味ではなく、その品質や美しさが重要視されました。従来の貿易パターンとは一線を画したのです」
「こうしたシルクは何世紀にもわたってヨーロッパじゅうで取引され、スカンディナビアのクーフィー体文様は、その意味も知らずにイスラム織物の文様を模倣したものである可能性はあります。