秋津壽男“どっち?”の健康学「同じ耳が原因でも平衡感覚障害と聴覚障害の違い。突発性の『めまい』と『難聴』はどっちが危険?」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「同じ耳が原因でも平衡感覚障害と聴覚障害の違い。突発性の『めまい』と『難聴』はどっちが危険?」

 先日、外出中に、50歳ぐらいの女性が目の前でふらっとよろけた場面にでくわしました。その方いわく「ここ数日、めまいがするんです」とのこと。とっさに「突発性めまいではないか?」と、「1分以内で治まりますか?」と尋ねました。

 突発性の病気は他にも、いきなり耳の聞こえが悪くなる「突発性難聴」も大きな不安に駆られますが、突発性のめまいと難聴では、どちらがより重篤な病気と言えるでしょうか。

 耳の役割は「平衡感覚を保つ」と「音を聞く」に大別できます。めまいの症状は平衡感覚に由来していますが、難聴は聴覚の障害となります。

 突発性めまいの正式名称は「良性頭位変換性めまい症」といいます。5年前に澤穂希さんが発症し、広く知られるようになりました。

 耳の中の平衡神経をつかさどる器官である三半規管の調子が悪くなる症状が突発性めまいです。

 三半規管には縦横前後をつかさどるセンサーがあり、目をつむっていても、自分がどの方向に向いているかがわかるようにできています。暗闇でも転ばずに歩けるのは、三半規管が体の動きを捉え、平衡感覚が保たれているからです。

 この三半規管が何かの拍子で調子が悪くなると平衡感覚が狂います。その代表的症状が「乗り物酔い」です。例えば、揺れるバスの中で気持ち悪さに襲われることがあると思います。これは、三半規管が誤作動を起こしているのです。

 船に長く乗っていると知らぬ間に船酔いが治まることがあります。これは三半規管が船の揺れに順応するためです。船を降りた際に丘酔いするのは、揺れる船に順応していた三半規管が、揺れない丘に順応できないからです。

 この三半規管の中にある「耳石」の位置がズレると突発性めまいが起こります。良性頭位変換性めまい症という病名のとおり、良性なので心配はいりません。枕を高くして三半規管を耳石より高い位置にしたり、顔を左右上下に傾けて10秒ずつ動かし、耳石の位置を修正します。

 めまいには「良性」「悪性」「仮性良性」の3種類があります。良性は内耳周辺、悪性と仮性良性は小脳周辺に病巣がある場合で、脳梗塞やガン、脳腫瘍のように生命に危険があると悪性とされます。

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