試用期間とは? 給与や条件などはどう違う?

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試用期間とは? 給与や条件などはどう違う?

内定を出した求職者に対して「試用期間」を設けている企業があります。その人材の適性を確かめるための制度ですが、本採用として雇用していないため、退職や解雇などでのトラブルも起こりがちです。今回は、この試用期間とはどんなものかについてご紹介します。


■試用期間とはどういう意味?

試用期間とは、長期雇用を前提とする労働者に対して、職場への適性があるかどうかを見極めるために、企業側が設ける期間のことです。この期間の働きぶりに問題があれば、期間中に解雇したり、本採用の契約をしないということもあります。逆に、労働者側が環境に対して不満を持ち、試用期間中に退職を申し入れることもあります。企業・労働者双方が相手を見極めるための期間なのです。

しかし、試用期間とはいっても雇用契約そのものは成立しています。試用期間が終了すれば長期雇用に移行するという前提のもので、気軽な「お試し期間」ということではありません。

では、試用期間の待遇や決まりごとなどについて、ご紹介しましょう。

●試用期間中の待遇について

試用期間だからといって、社会保険がなかったり残業代が支払われないというのは違法です。企業は、各種社会保険に加入させる義務があり、時間外労働については残業代を支給しなければなりません。

残業以外の各種手当についても同様で、正社員と同じように支給されます。「試用期間中は基本給と交通費だけしか支給しない」というのは違法になります。

ただし、給料が本採用時よりも低く設定される場合はあります。この場合でも、各都道府県が定めている最低賃金を下回るのは違法です。本採用時よりも給料が低い場合には、確認が必要です。

●試用期間の上限は?

試用期間の長さについて、労働基準法などでの明確な規定はありません。一般的には1-6カ月とする企業が多く、長くても1年が限度とされています。期間の長さは企業が自由に決められますが、就業規則や雇用時に締結する契約書には試用期間の長さの他、試用期間を延長する場合があるならばその旨を明記しなくてはなりません。

●試用期間中の解雇

試用期間とはいえ、終了後は長期雇用を結ぶという前提です。企業側も正当な理由がなければ簡単に解雇することはできません。正当な理由とは、次のようなものです。

・無断欠勤や遅刻が多い
・勤務態度に問題がある
・会社に多大な損害を与えた
・経歴詐称があった

上記のような理由により試用期間中に解雇する場合、通常と同じく30日前に予告をするか、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。例外としては、試用期間の開始から14日以内であれば、これらの義務を果たさずに即時解雇を申し渡すことができます。

また、試用期間終了後に本採用を拒否するのも、解雇に該当します。問題なく試用期間を終了したにもかかわらず、本採用を見送るという趣旨の申し入れがあったとしても、法的には認められませんので覚えておきましょう。

●試用期間の延長について

特別な理由がない限りは、企業側が一方的に試用期間を延長することはできません。以下の条件を満たしている場合、試用期間の延長が認められます。

・就業規則や雇用契約書に、試用期間を延長する場合があると定められている
・試用期間を延長するのに、合理的な理由がある
・当初の試用期間と延長期間の合計がおおむね1年以内である

●試用期間中に労働者側が辞めたいと思ったときは?

実際に働いてみると、イメージとのギャップが埋められなかったり、仕事をこなせそうにない等の理由で、退職したいということがあるかもしれません。しかし、試用期間が終われば本採用という前提は労働者側にとっても同じです。無断で欠勤してそのままフェードアウトしたり、突然「今日で辞めます」というのは許されません。

労働基準法では、退職予定日の2週間前に申し出なければなりません。企業側もその人の後任を決めなければいけないので、なるべく早く直属の上司に相談しましょう。

試用期間という言葉のイメージから、気軽なお試しというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、それは誤りです。途中で退職する場合だけではなく、企業側から本採用辞退を申し入れられたときでも、それに正当な理由があるのかどうか、よく考えてみましょう。

(藤野晶@dcp)

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