トイレでいきんで失神!?「排便ショック」の原因と対処法
排便時にいきんだ際、意識が遠のき、失神しようになったことはありませんか?特に便秘気味の人だと、トイレでいきんでしまうことが多いと思います
「排便ショック」とも言われ、症状が起こってしまう原因として、自律神経と大きな関わりがあるそうです。
今回は、排便ショックのメカニズムや、排便時以外にもある失神しそうになりやすいシーン、排便時ショックの対処法などを医師に解説していただきました。
排便時にいきむと失神しそうになる(排便ショック)のはなぜ?

排便特に息をこらえてお腹に力を入れる「いきむ」という行為をすると、胸の圧が上がり、心臓に戻ってくる静脈血液量が減ります。すると心臓が打ち出す血液量も減ってしまいます。
何かのきっかけで、血圧が急激に下がり、脳への血流が保たれなくなることによって、気が遠くなったり、めまいがしたり、失神して倒れてしまうようなことが起こることを「迷走神経反射」と言います。
迷走神経とは、脳から伸びている神経の一つで、血管や内臓に広く分布しています。迷走神経には自律神経の一つである副交感神経が含まれており、血液を体内のどこに集中させるかを調節する役目があります。
しかし、自律神経のバランスが崩れ、血圧や脈拍が急激に変化することで、脳への血液量が低下し、意識を保てなくなって失神してしまいます。
迷走神経反射を起こしやすいきっかけ
日常的な行動

・排便、排尿
・食事、飲酒
・冷たい水に顔をつける
精神的ショック

お化け屋敷でびっくりしすぎて意識をなくす。
採血時

採血の痛みで気分が悪くなり倒れる。
眼球・頸動脈・みぞおちの圧迫

ケンカで目やみぞおちを殴られたり、柔道で頸動脈を締められて意識がなくなる。
運動

サウナや運動で汗をかいた後は、血液量が減り、体の末梢の血管が広がり迷走神経反射になる。
病気

激しい咳や嘔吐の際や、病気でも迷走神経反射が起こることも。
■ 糖尿病
糖尿病では細い血管の血流が少なくなりやすく、自律神経に栄養を送る血管の血流が落ちるため、自律神経のバランスが崩れやすい。
■ パーキンソン病
自律神経がうまく働かなくなるため。
排便ショックを起こしやすいタイプ
便秘しやすい女性や妊婦、腸の動きが落ちやすい高齢者は特に危険と言えます。便秘で繰り返し強くいきむと、迷走神経反射が起こりやすくなります。
排便ショックの対処法、応急処置
気分が悪い、冷汗が出る、耳鳴り・めまいなどの症状があれば、すぐにしゃがみ込むか横になり、可能なら足の下にクッションを入れるなどして高くし、脳に送られる血流量を増やします。
頭を低くして休むことで、数分以内に意識は戻り、後遺症も残さないのが普通です。
トイレなどで意識を失って倒れている人を見つけた場合は、安全なところに寝かせ、助けを呼びましょう。
排便ショックを起こさないための予防法
いきまなくても排便できるように、便を柔らかくし、便秘解消につとめることが重要です。
生活習慣の改善

・水分を十分取り、食物繊維や乳酸菌を含む食事を心がける。
・適度な運動と十分な睡眠を取る。
・便が硬くなってしまう場合は便を柔らかくする薬の服用も考える。
排便時の過ごし方

・出なくても毎朝ゆったりトイレに座る時間の余裕を持つ。
・排便後立ち上がる時は急に立ち上がらず、ゆっくりと立ち上がるようにすることで、脳血流が急激に下がるのを防ぐ。
・気分が悪くなりそうになったらすぐつかまれるように、トイレに手すりを付ける。
最後に医師から一言

迷走神経反射は様々な場面で見られます。逆に迷走神経反射を利用して、脈が速くなる不整脈を止めることもあります。
また、排便後に意識をなくしてトイレ内で倒れることが起こった場合のために、病院のトイレには外から開けられる鍵がついていることもあり、排便ショックへの対応もなされています。
(監修:Doctors Me 医師)