年収1000万円、上場会社勤務のエリートが不動産投資でカモられた話 (2/2ページ)

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(2)担当者との最初の面会で契約書にサイン

コンタクトを取ってきた橘高、そして営業課長・九門と面会した須藤。マンション投資のメリットについて説明を受け、ひとまず持ち帰って検討したい旨を伝えるが、九門は「こちらのマンションですが、今非常に人気が高くなっていて、残り1室しかないんです」と決断を急かす。そして、差し出される契約書…。

須藤の不安を振り払う言葉を繰り出す九門。その言葉にほだされ、ついに須藤はサインをする。

(3)家賃収入があっても収支はマイナス。さらに新しいマンションを購入

新築マンションの一室を購入し、無事に借り手が見つかるも、マンションのローンの支払いでマイナス収支。「使えるお金が減ったといえるかもしれない」と不満を口にする須藤に、橘高は数字を見せながら「マンション1室だけだと、老後の年金としては、ちょっと不足ですよねえ」と不安を煽り、「もう一つ、購入して、将来の収入を安定させてみませんか?」と提案する。

橘高の一生懸命さと提案されたマンションの価格に魅力を感じた須藤は二つ目の物件を契約することに。

(4)管理会社に管理を任せたところ、家賃の決定権がなくなる

家賃収入が収益のカギとなる不動産投資において、空室は一番のリスクだ。そこで須藤はゴールデンゴール管理会社とサブリース契約を結ぶ。サブリース契約とは「又貸し」のことで、管理会社がオーナーから部屋を借り上げ、空室であろうがなかろうが、家賃収入を保証するという契約である。

ところが、借り手がつかないことから、家賃を下げたいという提案を受けることに。最初はOKするも、「お支払い家賃も下がることになります」という言葉を聞いて須藤はうろたえる。契約から賃料の決定権が奪われており、管理会社の言う通りにしかできず、家賃収入は大幅減。ローンの回収計画は大幅に崩れてしまったのだった。

 ◇

プロたちによる言葉巧みな営業によって、不利な状況に追い込まれていく須藤は、年収1000万円という高収入が災いした形で、どんどんカモられていく。では、どのようにしてその窮地を脱したのか? それは本書を読んでのお楽しみだ。

ただ一つ言えることは、「何となく不安だから」「不労所得が欲しいから」というような曖昧な気持ちに、不動産営業はつけ込んでくるということである。なぜ、投資をするのか? どう回収していくのか? それを考えられていなければ、不動産営業につけ込まれてしまうかもしれない。

(新刊JP編集部)

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