心臓を鍛え健康長寿を促す 優しい筋力アップ法と食生活 (2/3ページ)
筋肉量が落ちて脂肪に変わってしまう『サルコペニア肥満』と同じようなことが心臓にも起こるのです。そうなると、不整脈疾患を起こしやすくなります」(専門医)
都内の総合医療クリニック院長、久富茂樹氏も、こんな話をする。
「私のところに、まだ現役のアスリートさんが訪れ、『心房細動』で困っていると訴えたので相談にのったことがあります。心臓が1分間に250回以上も収縮を繰り返す不整脈の一種で、これが起きると血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクが高くなります。日頃から体を鍛えるために運動をしている人は、より多くの血液を体じゅうに循環できるようにするため、心臓はそれに見合った大きさになっている。とりわけ、肺から血液を受ける左心房が通常より大きくなっているケースが多い。そうした人が運動をやめてしまうと、拍動をコントロールしているシステムが崩れ、心房細動を起こしやすくなるのです」
こうしたことから、現役時代に頑張っていた人ほど、心房細動に陥るケースが多いという。
では、運動から離れ、健康に自信が持てない、という人は、何から取り組むべきなのか。
理学療法士・大澤弘瀬氏に聞いた。
「筋力低下の直接の原因は、背骨のバネのような、しなやかさが失われていることにあります。運動は健康維持には欠かせないが、運動したぶん、同じだけの負荷が体へ返ってきます。それを背骨が吸収することで、運動が成立しているのです。ですから、運動をする目標は『失った背骨のしなやかさを取り戻す』、『筋力の制限を改善する』、『もともと持っている筋肉がしっかり働けるようにする』の3点になります」
これらを押さえたエクササイズは、以下の3つだ。
(1)背筋を伸ばし、両手を上げて頭の後ろで交差し、細く長くなるイメージで真上に伸びる。これを7秒間×3回。
(2)右手を上げ、背骨が弧を描くイメージで左側に倒し、右の脇腹を伸ばし、7秒間キープ。反対側も同じようにする。
(3)イスに座り、右足を上にして足を組む。体を右側にねじって7秒間キープ。これを、呼吸を止めないように行う。足を組み替えて同じようにする。