鈴木哲夫の政界インサイド「トランプ訪日は“自国向けには満点”だった」 (2/2ページ)
トランプ大統領は、首脳会談席上や日米財界人との個別会合で、
「日本との貿易は公平ではない。二国間で解決する」
と語った。この発言はアメリカの多くのメディアも自国内で取り上げ、大統領の日本への強い姿勢を評価している。経産省OBが言う。
「過去、日米の二国間通商交渉は全て敗れている。それはアメリカが安全保障とセットにしてくるからだ。『誰が日本を守っているんだ?』と言われると、交渉では譲らざるをえない。今回、大統領は安倍首相に気を遣って抑え気味の表現だったという人もいますが、本気と見たほうがいい。二国間通商交渉は麻生太郎副総理が担当して対話を続けているが、今後も厳しい交渉になるだろう」
トランプ大統領にとって、自国向けには「満点の訪日」だったとも言えそうだ。実際に自民党ベテラン議員もこう話している。
「2人の親密度はこれまでの安倍首相の努力でずいぶん深まったことは間違いない。ただ、本当の信頼関係となると‥‥」
安倍首相がトランプ大統領の自国向けアピールの舞台を用意しただけに終わらないことを祈るばかりだ。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。