大東大、22季ぶりV決定的! 王者・東海大を下した試合のハイライトとは。 (2/3ページ)

ラグビーリパブリック

本来ならばスクラムがあった「ブラインド」側を攻める段取りだったが、「東海大さんの選手がブラインドに残っていた」。一転、その逆の「オープン」に目を向ける。

「東海大さんのディフェンスはキャリア(ボールをもらった人)に詰める」からと、自身の左斜め後ろにHOの平田快笙を呼び寄せ、パス。防御に迫られた平田の後方に回り、再度ボールをもらう。「ループ」と呼ばれる動きを決め、そのまま左大外のスペースへ展開した。

 最後はFBの中川和真副将が軽快なステップでタックラーをひきつけ、オフロードパス。WTBの土橋永卓が左タッチライン際のスペースを駆け抜け、先制トライを決めた。直後のコンバージョン成功で7-0となったこの場面を、南はこう振り返る。

「(ループは)とっさにやった。ただ普通に回すだけなら相手に流されてしまう(スペースを埋められる)と思ったので、自分がそういう(ループをするという)コールをして、行きました」

 大東大は21分、FLの河野主将のトライで12-0とリード。しばし東海大のラインブレイクを許しながら、懸命のカバーで危機を最小限にとどめた。前半終了間際には、自陣ゴールエリア左へWTBのシオペ・ロロ・タヴォがスライディング。相手のグラウンディングを防ぎ、スタンドを沸かせた。本来は攻撃で期待されるロロ・タヴォはこの試合を通じ、敵をタッチラインの外へ押し出すなど守りで光った。

 大東大は後半も、わずか5失点に抑えた。同18分頃に自陣10メートル線付近で繰り出された組織防御は、この日のハイライトのひとつとなった。先頭になって前に出るタックラーが迫るランナーを倒し続け、最後はSOの大矢雄太が8フェーズ目の接点の球に絡みついた。ノット・リリース・ザ・ボールの反則を誘った。

 大東大の鋭い飛び出しは時に「オフサイド」と見なされたが、東海大は好機のラインアウトで失敗を重ねるなどし勢いに乗れなかった。

 試合後、肩を落とす青い集団にあって、日本代表FBの野口竜司主将は「大東大さんのプレッシャーを感じましたし、自分たちもそこで前に出られず、プレーの結末がよくなかったと思います」と淡々。エラーがかさんだ理由を問われると、80分を通して印象的だったであろうシーンを思い返して言った。

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