とろサーモンのM-1優勝、吉本勢の私物化に「お笑い界の相撲協会」と批判集中

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とろサーモンのM-1優勝、吉本勢の私物化に「お笑い界の相撲協会」と批判集中(写真はイメージです)
とろサーモンのM-1優勝、吉本勢の私物化に「お笑い界の相撲協会」と批判集中(写真はイメージです)

 漫才師の日本一を決める『M-1グランプリ2017』(テレビ朝日系)の決勝戦が3日に放送され、「とろサーモン」が13代M-1王者の座を手にした。とろサーモンは02年結成のコンビとあって、最後のチャンス(M-1出場資格はコンビ結成15年以内)をモノにしたベテランの優勝に、客席からは惜しみない声援が送られていた。

 だが、番組終了後、SNSなどのネット上では例年どおり「審査がおかしい」などアンチの声が目立っている。今年は特に「決勝の10組中9組が吉本興業所属という時点で、おかしい」など、吉本興業に対する批判でネットが大荒れしている。

「そもそもM-1は”主催”が吉本興業と朝日放送なんです。それを前面には出さず、あたかもオープンな”漫才の日本一決定戦”の体裁を取ってるのがおかしいと、業界内では以前から指摘されています。審査員の選定はもちろん吉本が決めているし、予選会の審査にいたっては吉本のスクールNSCの作家講師がつとめるなど一心同体の関係です。今回もお情けのように他事務所のカミナリ(グレープカンパニー所属)が出場しましたが、それ以外の9組はすべて吉本所属。優勝も07年にサンドウィッチマンが選ばれたきりで、6年連続で吉本勢が独占している。他事務所のタレントがこのアウェイの場で活躍するのはほぼ不可能です」(放送作家)

 あたかも漫才日本一を決める公平な大会を装いながら、その実、吉本の所属芸人を売り出すためのシステムと化している。それが事実なら、吉本と朝日放送は「漫才日本一を決める」という看板を下ろすか、「よしもと杯」と銘打った大会にすべきだろう。

■最終チャンスのとろサーモンに優勝を「つけまわし」?

 SNS上では「審査」についても異論が続出している。その多くは「今年がラストチャンスになったとろサーモンに花を持たせたのではないか」というものだった。

「決勝2本目の漫才については、ネットでも和牛の方が明らかに評価が高かった。しかも和牛は、とろサーモンが決勝1本目・準決勝・準々決勝で使ってきた『旅館の女将ネタ』を合わせてきた。同じネタを見せられれば、プロ審査員なら力量の差を明らかに意識していたはず。実際、オール巨人(66)、松本人志(54)、上沼恵美子(62)の3人は和牛を選びました。しかし、渡辺正行(61)、中川家・礼二(45)、春風亭小朝(62)、博多大吉(46)の4人はとろサーモンを選んで優勝が決定。審査員の中でも決して押しが強くない4人ゆえに、何かしら同情や忖度が働いたのではという見方が続出していました」(週刊誌記者)

 とはいえ、いずれにせよ優勝者は吉本の所属タレントである。それゆえ、談合や内輪びいき、事なかれ主義を疑われる吉本を「相撲協会」に例える声や、今回の審査を(協会の)「星のつけまわし」になぞらえる声もあった。

 まさに吉本の、吉本による、吉本のための「漫才日本一決定戦」。とろサーモンが「うちの会社は車の事故多い」などと、あたかも客席を吉本の「ホーム」と確信したかのようなネタが象徴している。ここはひとつ、非吉本勢の芸人に立ち上がってほしいところであるが、吉本勢以外にその技量も、それを支える育成ノウハウやハコ(常設の劇場)がないのも現実である。相撲界も、漫才界もまだまだ旧勢力の横暴は続きそうである。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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