【真夜中のKISSマンガ】第12回『Paradise Kiss』強引でも意志薄弱でもないキス (1/2ページ)
最近すごく感じるんだけど、世の中って本当に生きにくくないですか。日本人って、親や教師から「あれはダメ」「これはしちゃダメ」って、ダメダメダメ出しされている気がします。だから自信を持って自分の意見を言えない人や、夢を持てない人が多いと思うんです。
普通だったり、みんなと同じだったりするのがいいことだって教えられるから。親や教師の言うことを聞かなきゃいけないと思い込んでいるから、自分のやりたいことも見つからないし、したいと言えない。
勉強以外の何かに夢中になったり、空気を読まなかったりすると周囲から「変わってる」と言われちゃう。でも、いくら変わってようが直接自分に被害がないならいいじゃないですか。何をしようと個人の自由ですよ。
みなさん、夢持ってます? やりたいことってあります?
真夜中のKISSマンガ『Paradise Kiss』紫(ゆかり)は、進学校に通う高校生。がんばっても成績が芳しくなく、無為な生活を送っています。そんなときに知り合うのが、“ヤザガク”という芸術学校に通う生徒たち。最初「遊びでミシンを踏んでいる」と見下していた紫ですが、彼らの服飾に対する真剣な姿勢に刺激され、だんだんと自分の道を見つめるようになっていきます。
紫のような悩みを持っている人って、少なくないと思うんです。勉強も身が入らない、でもやりたいこともない。だってたいていの人は教えてくれないじゃないですか――世の中にはいろんな仕事があって、何をして食べていってもよくて、人にはそれぞれ才能があるってことを。
自分たちの好きなことに邁進しているヤザガクの仲間たちは、とてもキラキラしています。そう、たいていの人たちは自分のしたいこともわからないけど、普通にならないといけないと思い込んでいるし、その生活がおもしろくないから、自由に生きている人を見下すことで自分を保っているんです。
パラキスが多くの読者の心を掴んだのは「自分にも何かできることを見つけたい!」「見つけられるかも!」って勇気を与えられたからじゃないかと思います。
「自分の人生なんだろ? ちゃんと話せよ 真面目に聞くから」そして紫が惹かれていくのが、ジョージ。