秋津壽男“どっち?”の健康学「多くの日本人が悩む便秘を解消するためには下剤・便秘薬と浣腸はどっちを使うべき?」 (1/2ページ)
日本人は、欧米人に比べて、便秘で悩む人が多いです。昨今では、食生活の変化もあって、女性のみならず男性も便秘に苦しむ人が多く、私のもとにも多くの方が便秘の相談に訪れます。では、便秘を解消したい場合、下剤と浣腸のどちらを使うべきでしょうか。
下剤は「腸の上部」を、浣腸は「腸の下部」を刺激して動かします。便秘がどのような状況にあるかで、どちらを使うかが決まります。「3日に1回しか便が出ない」などの慢性便秘の場合は「上から押す」=下剤を服用することとなります。
下剤にはいくつか種類があります。運動不足で腸の動きが悪くなる「弛緩性便秘」の場合は、腸内の水分吸収を防ぎ便に含まれる水分を増やす「塩類下剤」で便を軟らかくします。うさぎの糞のように固まった便を、水で軟らかくするのがこのタイプで、食後に服用すると2~3時間で効きます。
便ではなく腸の壁を刺激する「刺激性下剤」は、腸の動きを活性化させて排便を促します。こちらは8時間ほどで効きますので、就寝時に服用すると翌朝のお通じがよくなります。コーラックやタケダ漢方便秘薬などはこのタイプです。
「3日間出ていない」などの慢性便秘では、それらの2種類の下剤を使い分けます。
これに対し「バリウムや風邪薬を飲んで便秘になった」「旅行に出かけたら出が悪くなった」などの急性便秘の場合、下剤を飲むと激痛を生じる危険性があります。肛門が固まっているので、上から押し出すのではなく、下から便通を和らげる必要があります。また、肛門の手前の直腸に便がたまっている直腸性便秘も、浣腸をして硬くなった便を出すようにします。
「1週間、便が出ていない」などのひどい慢性便秘も、肛門が固まっている可能性があるため、下剤や便秘薬を服用すると腸閉塞のような症状が生じることもあるので、浣腸を使用したほうがいいでしょう。
浣腸や座薬は、下剤よりはるかに効果が早く現れます。便秘で腸の出口から20センチほど便が詰まっているとしたら、浣腸や座薬を投与して5センチほど便を軟らかくします。これを2~3度繰り返すと、腸内を詰まらせて固まった便がなくなり、一気に排便できるようになります。