仏式と神式の葬儀でのマナーの違いや葬儀そのものに対する考え方の違いを解説

心に残る家族葬

仏式と神式の葬儀でのマナーの違いや葬儀そのものに対する考え方の違いを解説

日本での葬儀は、仏教徒が多数であるためか、仏教に法った作法が一般的だと考えておられる方がほとんどを占めるのではないかと思われます。ですが、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教といった他の宗教の葬儀があるように、神道や神式といった仏教とは異なる宗教での葬儀の作法もあるのです。

■仏式と神式の考え方の違いは?

まず、神道や神式では葬儀のことを「神葬祭~しんそうさい~」という言い方をします。双方の考え方の違いとして、仏教での葬儀は、故人が無事に極楽浄土へ旅立ち、冥福を祈るために行われるのですが、神道、神式においては、故人は死と共に神となり、遺族一家の守護神となるのです。先祖崇拝の考え方であり、故人となり、先祖となって家の守り神となることの祭典なのです。

極端にいえば、仏教では旅立ちを祈り、神道・神式では守護神となり留まっていただくことを喜ぶということで、死というものにたいする考え方そのものが違うのではないでしょうか。

■仏式と神式のマナーの違いは?

葬儀の場では故人を偲び、お悔やみを申し上げることが風習であり、遺族に会えば「ご冥福をお祈りします」などの成仏を祈る言葉をかけ、供養をする儀式に参列するのです。

神葬祭では、死=けがれ、であるため、そういった言葉や数珠などの「死者を送る」ということを連想させるものを持ち込まないのがマナーであり、あくまで祀りとして行うのです。

■仏式と神式の共通点は?

こうしてみると、まるで故人を偲ぶ想いも別物のように思われます。しかし、はたしてそうでしょうか?

考え方の違いは、故人の死後に生きる世界観の違いであり、送る側の弔う心に違いはないはずです。そして、人は死への恐怖から、宗教という「神」に教えを請い、救いを求めるのです。その故人が授かった教えを尊重したものが葬儀であり、神葬祭であるといえます。仏教の教えでは「善行を積めば極楽浄土へ行ける」神道・神式では「死して家族を守る神となる」という想いを描くことこそ、残りの人生の希望となり、故人を送る救いとなるのです。

■二礼二拍手一礼

一般でも安全安泰を祈願し「二礼二拍手一礼」を神社や神棚に捧げることがあります。神道・神式で行う儀式なのです。弔いの行事では拍手のとき音をたてません。これを、しのび手、といいます。

神社では神に祈る、ご家庭では守護神となったご先祖様に祈るのです。こうして毎日祈願し、故人との対話が生まれることが、遺族へ安心を生み、生きていくことへの活力を生み出していくことに繋がるのでしょう。

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