「築地市場問題」機能移転できずに東京五輪崩壊へ

まいじつ

うげい / PIXTA(ピクスタ)
うげい / PIXTA(ピクスタ)

おとぎ話の『かちかち山』は、老婆を残虐に殺したタヌキを、老爺に代わってウサギが成敗する話だ。この物語で、老婆を民進党、タヌキを“緑のタヌキ”と揶揄される小池百合子東京都知事に置き換えることはできないだろうか。小池都知事はこのままだと本当に“成敗”されそうだ。

「小池知事は希望の党代表を11月14日に突如辞任し、国政進出をもくろんでいたあいだに築地市場の豊洲移転を巡る問題は解決策を見いだせず、東京五輪の計画さえ危うくする事態に陥っています。9月から入札が繰り返されながら、入札不調が相次いでいる工事は全部で9件。豊洲市場の5街区(青果棟)、6街区(水産仲卸売場棟)、7街区(水産卸売場棟)の計3街区でそれぞれ、地下水がたまっている地下ピットにコンクリートを打設する工事、地下ピットの喚気を強化する工事、そして地下水の管理システムの機能を強化する工事の3種、計9件の工事を東京都が発注したのですが、このうち落札されたのは7街区の地下ピット換気強化工事と5街区のコンクリート打設工事の2件だけで、残りの7工事については、いまだにゼネコンの受注拒否から落札されていなのです」(都政記者)

入札制度を全く理解していない小池知事

築地の中央卸売市場の機能を早期に豊洲に移転させなければ、五輪に向けた東京都の計画は大きく狂う。東京都は豊洲への移転後に、現在使用されている築地市場を解体し、ここを五輪開催中に晴海の選手村と各競技の会場間で選手や関係者を輸送する車両の拠点で、駐車場の役割を果たす『デポ』を設ける予定だ。

「デポ設置のためには、来年2018年7月に追加工事を完了させ、9月に小池知事が事実上の“安全宣言”をおこなった上で、10月に豊洲市場が開場という既存計画が完遂されなければ間に合いません。そもそも昨年8月末に、小池都知事が豊洲への市場移転を延期した際、その理由のひとつとして『巨額かつ不透明な費用の増大』を挙げ、ここに巣食う頭の黒いネズミ(“都政のドン”と呼ばれた内田茂前都議)を成敗したまではよかったのです。知事はその際『ワイズ・スペンディング(賢い支出)』策を打ち出し、その意を受けた『都政改革本部』は今年5月、入札に参加する業者が複数いなかった場合は、入札を中止してやり直す『一者入札の禁止』や『予定価格の事後公表』などを内容とする『入札制度改革』を断行しました。これが今回の入札不調の原因となっているのです」(同・記者)

一者入札を理由を問わず禁止し、一者入札の場合は入札を中止してやり直すというのは全くの愚策で、あるゼネコンの首脳からは「公共工事の入札契約制度が根本的に分かっていない」とまで酷評された。小池知事は“木を見て森を見ず”の状態になっている。

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