2017プロ野球「行く年来る年」座談会(1)ブレなかったDeNA・ラミレス監督 (1/2ページ)
今年も残すところ1カ月を切った。ストーブリーグが騒がしいプロ野球界も、すでに来シーズンの足音が聞こえてくるほどだ。角盈男、駒田徳広、ギャオス内藤という歯に衣着せぬ御三方が、今季を振り返りつつ、来季の展望を語り尽くす!
角盈男 まず今季のセ・リーグだけど、前評判どおり広島が優勝したね。しかも2位以下に圧倒的な差をつけての連覇。黄金時代到来という感じになってきたな。
駒田徳広 とにかく打線が充実してますよ。リーグ一番の強力打線が若い投手陣を助けていた。
角 最少失点で切り抜ければ勝ちの権利を得る。あるいは勝利するという経験を積むことで、投手は粘ることを覚える。点を失ったあとに逆転してくれるというような成功体験は投手を育ててくれるんだよね。
内藤尚行 就任3年目を迎えた緒方孝市監督のベンチワークも光りましたね。ベテランを休ませつつ、若手、中堅を適材適所で使っていた。目先の勝敗にこだわるだけでなく、将来を見据えた選手起用をしていました。
角 FAなどの流動的な問題はあるけど、現状では投打ともに選手層がリーグ屈指だな。今後もセを牽引するチームになるだろうね。その広島に唯一勝ち越したのがDeNAだった。リーグ3位ながら下克上で日本シリーズに進出。優勝争いの興味が薄れた終盤戦を盛り上げた功績は、評価大と言っていいだろう。
駒田 ラミレス監督はシーズン前から「スモールベースボールはやらない」と言っていましたが、最後までブレなかった。盗塁39、犠打84はいずれもリーグ最少。トップの広島が112個も走り、116の犠打を決めたのとは対照的でした。
内藤 とにかく選手の力を信じて自由に打たせることに徹しましたよね。選手時代のラミちゃんは、見かけによらず対戦投手の分析に熱心だった。監督に就任してからも、試合前、ゲームに関するあらゆるデータを確認しているそうです。選手を送り出すまではデータを重視して、活躍度の高い人間を大胆に起用する。