独占インタビュー・北島三郎「さらば、キタサンブラック」(1)所有馬は全て自分の子供 (2/2ページ)
大きなレースで勝つ強い馬ばかりがクローズアップされますが、どんな馬だってひたすらゴールを目指してまっすぐ走るんです。転んでも起き上がって、たとえ脚が折れたって、ずっと前を向いて走ろうとする。私たちも舞台に上がったら、「脚が痛ぇ」とか弱音は言っていられませんからね。馬たちが一生懸命走る姿に、自分を重ね合わせて、それを励みにここまで歌手を続けてこられたという実感はありますね。
私の職業はあくまで歌手です。歌の道を頑張って歩んでいく中で、どこか息抜きできる場が欲しい。最初はそんな気持ちだったのですが、あらためて50年の馬主人生を振り返ると、波乱万丈ですよ。なかなか勝てませんでしたから。牧場に馬を買いに行ったのに、牛みたいなのを買ってしまったなんてこともあってね(笑)。
金銭的なことで言えば、うちの嫁さんや会社にも、ずいぶん苦労をかけました。もし馬主をやっていなければ、ビルの一棟や二棟は建っていたかもしれません(笑)。それでも全然、苦じゃない。「よし、俺がもっとがむしゃらに働けばいいんだ」と、馬たちに奮い立たされてきたんです。
北島三郎(きたじまさぶろう) 1936年10月4日生まれ。北海道出身。演歌ひとすじ56年。長年にわたる座長公演や時代劇にも出演し、役者としても活躍。文化人として国際交流に貢献し、昨年4月には旭日小綬章を受章した。