モンゴル人でも親方になれるべき?大相撲に持ち込まれた”民族論争”の混沌

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 キャスターの小倉智昭(70)が「親方資格に国籍制限があるのはおかしい」と疑問を呈した。27日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)は、事件が起こる2週間前にモンゴルで放送された横綱・白鵬(32)のドキュメンタリー番組を取り上げた。その中で白鵬は、元横綱・朝青龍(37)と対談し、協会の制度について批判をくり広げていた。

「朝青龍は現役時代に国籍を変えずに親方になれるように協会と何度も折衝したといい、白鵬もそれに同意して『力士は国籍はそのままで土俵に立てるのに、親方はどうして国籍を変えないとなれないのか』『本当におかしな決まりだと思う』と冷静な顔で告白していました」(週刊誌記者)

 日本のマスコミの前では決して見せない、白鵬のホンネ。さらに、朝青龍は「知らない人に物をあげるより、知っている人(仲間)に物をあげろ」というモンゴルの格言を出したという。つまりは、知らない日本人よりも、仲間のモンゴル人を助けろとの意味である。番組ではこの姿勢が貴乃花親方(45)とモンゴル勢の対立を深める一因なのではと結論づけていた。

「これに対し、小倉は『(貴乃花親方らに)相撲はガチンコで真剣勝負であるべきという意見があるなら、サッカーなど他のスポーツのように監督が外国人でも構わないのではないか。スポーツって国境とか民族とか関係なく開かれたものじゃないのか』と疑義を示していました」(同上記者)

 相撲は開かれたスポーツなのか、それとも日本文化や伝統を重んじる国技なのか。たしかに前者ならば民族差別に繋がると懸念する向きもあるだろう。これにはSNSや掲示板でも「イチローが大リーグ監督になるのに米国籍が必要と言われたら変かも」「国技じゃなくなるだろモンゴルで相撲ヤレ」「外国人力士だけの部屋とかルール守らんだろ」と賛否が分かれていた。

■テレ朝で貴乃花の『国体』発言にアレルギー反応?

 その一方で、『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日系)ではコメンテーターのテレ朝社員・玉川徹(54)が貴乃花親方の「国体」発言に過敏に反応している。

「28日の放送で、玉川は『貴乃花親方が、九州場所打ち上げの挨拶で「国体を担っていく大相撲を目指す」と言った。国体とは天皇制。それを武によって支えるというふうに聞こえる』と問題視しています。それを受けた相撲記者クラブ・大隅潔も『貴乃花親方が一番嫌っていたこと。モンゴル人(の仲間)意識というのはある』としています。対立の根本には、貴乃花親方の強い日本人としての民族意識があると言わんばかりでした」(スポーツ紙記者)

 相撲というあまりに特殊な「国技(※法令で定められたものではない)」ゆえに、ただの暴行事件だったはずが、国家観や民族差別の問題にスリ替わろうとしている。貴乃花親方、相撲協会、そしてモンゴル勢の三つ巴の争いは、来年の初場所よりも激しい戦いになりかねない。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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