東京都世田谷区の「基準地価」が下がっている理由 (2/2ページ)

まいじつ

世田谷区では昔から「駅から離れた場所の方が格上」と見なされる風潮があり、それらに沿ったマンションや幹線道路に近い物件が分譲されやすい特殊事情があった。 要するに、駅の近くの騒がしい場所よりも、郊外の静かな住宅地が好まれたということだ。しかし、移り住んだ人たちが高齢化して、アクセスに不便を感じているという話もある。前出の不動産業者は「市場が求めているマンション(住宅)と最寄り駅の距離は、近年どんどん短くなっている」と最近の不動産価値のトレンド事情を明かす。また、古き良き住宅地の面影を残そうとするあまり、再開発や新しい街づくり」が世田谷には少ないともいわれる。

子育て世代を「拒絶」

例えば、世田谷区は待機児童数で全国ワーストの地区だ。保坂展人世田谷区長が自ら住民説明会に出席するなど、同区は保育所の整備に積極的だが、土地所有者が了承しても周辺住民が反対運動を起こしている。昨年までに5カ所で根強い反対運動があった。

「保育所の新設に反対するということは、子育て世代に対し『移住してくるな』と言っているようなものです。エゴイズムに凝り固まった高齢者が大挙して住んでいる世田谷区の人気が落ちるのも無理はありません」(不動産コンサルタント)

現役世代が移り住んでこない街の不動産価値が、将来的に下落するのは必然と言えるだろう。

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CORA / PIXTA(ピクスタ)

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