秋津壽男“どっち?”の健康学「皮下脂肪と内臓脂肪の健康へのリスク。食事制限と運動で根気よくダイエットを」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

1回は血管を通るため、皮下脂肪といえども安心できません。

 減りやすい内臓脂肪も減りにくい皮下脂肪も、減らすにはダイエットしかありません。食事を減らすのはもちろん、運動で燃やせるのが内臓脂肪です。対して皮下脂肪ダイエットにはウオーキングなどの有酸素運動に筋トレなどの無酸素運動を加えると効果的です。

 メタボの人がよけいな内臓脂肪・皮下脂肪を落とそうと思ったら、少なくとも2~3年はかかります。そもそも「分厚くつかめる肉があり、つかんだ状態でおなかも出ている」という状態は、黄信号を通り越して赤信号なのです。根気よくカロリー計算をして定期的に運動し、揚げ物やアルコールの摂取量を減らしてダイエットをしてください。

 お手軽な方法としては、脂肪吸引も考えられるかもしれません。しかし、医師としては絶対に勧められません。腹の一部分に穴をあけて脂肪だけ上手に吸引する技術はなく、神経や血管も吸い取られてしまうからです。脂肪吸引により、その周囲の感覚がなくなってしまう可能性があるのです。きれいに腹を開いて、ピンセットで脂肪を1つずつ取り除くならまだしも、掃除機のようなものを突っ込むとなれば、最悪の場合は命に関わります。

 痩せたいなら食事制限と運動しかありません。ダイエットでズルをすることはできないのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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