秋津壽男“どっち?”の健康学「皮下脂肪と内臓脂肪の健康へのリスク。食事制限と運動で根気よくダイエットを」 (1/2ページ)
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師走から正月にかけて、食べすぎや飲みすぎで太りやすくなる時期です。食べすぎが気になる方は飲み会がある場合に朝と昼を軽めにしたり、翌日の食事を抑えるなどでカロリー調整をして「食べすぎた」分を減らせば体重的にはプラスマイナスゼロとなります。
さて、今回は「脂肪」に関するお題です。同じ肥満でも「内臓脂肪が増えていく」のと「皮下脂肪が増える場合」に大別されます、どちらがより健康のリスクを高めるでしょうか。
一般的に、皮下脂肪は女性に、内臓脂肪は男性につきやすい脂肪と言われています。最近では「メタボ」と呼ばれるようになりましたが、その基準はウエストにあります。男性は90センチ、女性は95センチを超えるとメタボとされています。つまり、内臓脂肪型の肥満は、皮下脂肪型肥満よりもメタボリック症候群になりやすく、男性にメタボの割合が多くなる傾向にあるということです。
皮下脂肪は見分けるのが簡単です。腹筋に力を入れて、上からつまむと爪先で腹筋に触れますが、その時、腹筋の上にあるのが皮下脂肪です。つまんだ際に腹筋がどこにあるかわからない人は皮下脂肪が厚いということです。皮下脂肪をつまみ、腹筋に触れられるのにウエストが太い人は内臓脂肪がたまっています。内臓脂肪は文字どおり内臓の周りにつき、手ではつかめないが、おなかが出ているというタイプの人が該当します。
専門家の間では、皮下脂肪=「定期預金」、内臓脂肪=「普通預金」と言われています。皮下脂肪は一度たまると減らしにくく、消費することが難しい脂肪です。逆に内臓脂肪はたまりやすいが減らすのも簡単で、運動時に燃えやすく、減りやすい脂肪です。
脂肪が増えることで最も怖いのは「血管が硬くなること」です。血管に脂肪がついて詰まり、硬くなった結果、血栓ができやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞につながります。
この点で、皮下脂肪より内臓脂肪のほうが大病につながりやすいと言えます。
ただし皮下脂肪も動脈硬化のリスクがないとはいえません。食べ物は腸から吸収されて血管を通り、皮膚の下に届くと脂肪として皮下にたまります。