まさに奇祭な強飯式?新しくって面白い江戸時代のお正月の風景パート2 (3/4ページ)
彼らは門松の役目なので、どんなに偉い人が玄関にやって来てもお辞儀などの動作はせず、全く無反応。1時間ごとに交代で、ひたすら門松として通りの人の往来を眺めていたのです。
この人飾りと並んで、佐賀の鍋島藩の「鼓の胴の松飾り」も個性的な松飾りとして、江戸では有名でした。
画像:鼓の胴の松飾り 佐賀県立佐賀城公園公式ホームページより
また、肥後では松飾りの奪い合いといって、5日に町ごとに少年たちがチームになって、門松を奪い合うという奇習もありました。
三河万歳(みかわまんざい)江戸ではよく見られた正月の三河万歳。太夫と鼓を打つ才蔵が二人組で祝言を述べたり朗らかに歌い踊りながら各家々を回るめでたい芸でした。
楊洲周延「江戸風俗十二ケ月の内正月万歳説之図」国立国会図書館蔵
徳川家康の出身地という事で、三河の万歳が最も多かったようです。面白おかしく歌い踊る三河万歳は子供たちの人気者。長屋の子供が寄り集まって仲良く万歳を見てげらげら笑いこける風景も、お江戸の正月ならではでした。