広瀬すず『anone』9.2%はまずます?好き嫌いが分かれるも代表作の予感

デイリーニュースオンライン

anone:日本テレビ公式サイトより
anone:日本テレビ公式サイトより

 広瀬すずが主演を務める連続ドラマ『anone』(日本テレビ系)の第1話が1月10日に放送され、平均視聴率が9.2%(ビデオリサーチ調べ)だったことが分かった。脚本は坂本裕二氏が手掛け、同枠で放送されていた『Woman』(2013年)、『Mother』(2010年)に続く作品として放送前から注目を集めていた『anone』。3作品はシリーズものではないが、タイトルの毛色が似ていることから今回も“重いテーマ”を扱う社会派な作品になると予想されていた。

 しかし、蓋をあけてみると今のところは昨年の2017年に放送されていた『カルテット』のような雰囲気を醸し出している。すでに初回放送を見た視聴者からも「『カルテット』に似てる!」「言葉遊びがやっぱりすごい」「バラバラのピースがどうはまっていくのか楽しみ」と高評価を得ているようだ。それに反し、『Woman』や『Mother』のような展開を期待していた視聴者からは「話が難しすぎる」「意味がよく分からなかった」との声も出ており、好き嫌いがハッキリ分かれる作品となりそう。

 この話の主人公である辻沢ハリカ(広瀬すず)は、自宅も身寄りもなく日雇いのバイトをしながらネットカフェで寝泊まりをしている19歳の少女。ネットカフェには同じようにそこで寝泊まりをする笠木有紗(碓井玲奈)、網島美空(北村優衣)もおり、この2人の仲間とチャットゲームの中で知り合った“カノン”という人物との関係だけが、今のハリカの居場所となっているようだ。

 そんなハリカはなぜか自分のことを“ハズレ”と名乗っており、周りからもそう呼ばれていた。だがカノンとのチャット中に出てくる8~12歳の時の思い出話では、自分は「“アタリ”だとおばあちゃんに言われた」とも語っており、なんだか訳が分からない。そんな8~12歳の頃のハリカは、学校に通わずにおばあちゃん(倍賞美津子)とリクガメのいる森の中で2人で暮らしており、毎日遊んでいたツリーハウスでの時間は「夢のような時間」だったと、当時のことを心のより所にしていた。

 一方で、全く別のところでは、余命半年と告げられたばかりのカレー屋店長の持本舵(阿部サダヲ) と、そこに食事にきた青羽るい子(小林聡美)が出会っていた。そしてひょんなことから2人は「死に場所」を探すために2人で旅に出ることに。

 そしてハリカの方はというと、有紗(碓井玲奈)が見つけたという大金を探しに美空(北村優衣)と一緒に「柘」という場所に向かうことに。しかし、そこで3人はお金をめぐって争いになり友人だと思っていた関係はあっさりと断ち切れてしまう。そして、幼少期を過ごした場所が「柘」だったことを覚えていたハリカは当時の場所に行ってみることにしたのだった。

 しかしそんなハリカに待っていたのは残酷な記憶。実は、ハリカは両親に捨てられて全寮制の更生施設に入れられていた。おばあちゃんだと思っていた人物は更生施設でハリカに虐待まがいの行為を繰り返していた女性であり、その女性からハリカは「お前の名前は“ハズレ”だ」と言われていたのだった。そして思い出の中では楽しく過ごしていたツリーハウスもハリカを閉じ込めておくための家だったのだ。しかも、チャットをしていたカノンという人物についてハリカは覚えていないようだが、一緒に更生施設で暮らしていたという神野彦星(清水尋也)だったのだ。

 そんなこんなで、初回は「辻沢ハリカと笠木有紗、網島美空」、「持本舵と青羽るい子」そして「ハリカの過去である“妄想”と“現実”」の3つの話がごちゃ混ぜになっており、過去と現在に加えて妄想と現実が入り混じっていることから、少々理解するのに時間がかかる構成になっている。

 さらにこれに同ドラマのカギを握る人物である林田亜乃音(田中裕子)も登場している。ハリカたちが探しにいった大金を捨てたのが亜乃音であり、途中では有紗、美空だけではなく舵とるい子にも大金を見られて争いになるシーンも。話の流れからすると、どうやら大金の正体は亜乃音の死んだ夫・林田京介(木場勝己)が作った偽札なようだが、これをキッカケにしてハリカ・亜乃音・舵・るい子の4人が出会い、これから複雑な人間模様を描いていくようだ。

 しかも、タイトルの『anone』はまさかの田中裕子演じる女性の名前。これには正直言って、この年齢の女性で「あのね」ってキラキラネームすぎない?と驚いてしまったのだが、話の展開にどうかかわってくるのか。また、舵とるい子とのやり取りでは『カルテット』で高く評価されていた“言葉遊びが”たくさん登場するためそれにも注目したいところ。ただ、あまりにも登場人物の背景が複雑に絡み合っているため、ドラマの面白さを理解する前に脱落してしまう視聴者も多そう。それでもこのドラマ、何度も見たくなりそうな味のある作品になっていく予感がする。

吉本あや/ライター

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