玉木正之のスポーツ内憂内患「貴乃花親方の『改革』は伝統文化の破壊に映る」 (2/2ページ)
そもそも頭に丁髷や大銀杏を結って闘うだけでも、近代スポーツと呼ぶことはできないが、そんななかで「ガチンコ相撲」を貫く力士が少数ながら常に現れるのも大相撲の魅力と言える。
古くは69連勝を記録した双葉山から、栃錦、若乃花、柏戸、佐田の山、そして現在の稀勢の里、高安、貴ノ岩‥‥等々ガチンコ力士は常に人気を集め、なかでも現役時代の貴乃花はその筆頭として大人気を博した。
が、今は大相撲の「改革派親方」として少々理解し難い立場に立っている。
相撲は「稽古」(古きを稽える)が大事で過去の伝統の継承が基本。改革よりも保守が主流。ところが貴乃花親方は、あるテレビのインタビューで、過去の因習を引きずるものの一つとして「服装が現代の若者に合わない」と発言したのだ。
つまり紋付き袴や浴衣を洋服やジャージに変えたいらしい。が、親方衆も和服を着るべきと思う小生には、貴乃花親方の「改革」は日本の伝統文化の破壊としか映らない(後援者の前で相撲甚句ではなく裕次郎の歌を披露するのも、レイバンのサングラス姿も、大相撲関係者にはあまり相応しいものとは思えない)。
貴乃花親方と白鵬(モンゴル力士)の「ガチンコvs互助会」の対立は、「改革派vs保守派」でもあり、ならばモンゴル力士たちのほうが大相撲の伝統を引き継いでいると言えるのか?
互助会の「やりすぎ」は非難されて是正されるべきだが、「改革」も手放しで賛成はできない。このネジレこそ今回の事件の大問題と言えそうだ。
玉木正之