玉木正之のスポーツ内憂内患「平昌五輪選手『壮行会』の取材規制は大暴挙だ!」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

しかもJOCは、「壮行会」を開催しようとしている企業や学校関係者に直接「取材禁止」を通達するのではなく、選手の所属するスポーツ団体(スキーやスケートの連盟)に通達し、そこから「壮行会の主催者」に連絡が入ったという。

 そのため「壮行会の主催者」は誰もが、選手に迷惑がかかってはいけないと考え、マスコミに「取材禁止」を通知したというのだ。

 昨今のオリンピックや、出場選手の支援には多額の費用がかかり、JOCやIOCが「商業主義」に走るのもある程度は理解できる。が、選手強化や選手の五輪派遣には税金も投じられており、選手たちの動向をメディアが報じるのは、当然の行為である。それを禁止するのは、報道の自由を制限する行為として絶対に納得できない暴挙と言える。

 それに、そもそもオリンピックや出場選手を「支援」する44社の企業が、寄付行為でなく自社の宣伝の一環としてカネを出し、その行為をJOCもビジネスと捉えているところに、何とも情けないさもしさや意地汚さを感じないわけにはいかない。文化とは、そんな利己的なエゴ意識で育つものではないはずだ。

 2年後の東京オリンピックでも‥‥と思ったとき、微妙な事実に気がついた。

 朝・毎・読・日経など日本の主要メディアは、多額の協賛金を組織委に支払い、オフィシャル・パートナーになっている。なのにまさか報道規制がかかるはずはない‥‥が、いや、そんな立場からの情報発信は「報道」ではなく、やはり「広報」と言うべきだ。オリンピックの報道は問題だらけですなぁ。

玉木正之

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