朝日新聞が自衛隊ヘリ墜落を猛非難も…現場上空を報道ヘリで飛び回り批判殺到

デイリーニュースオンライン

Photo by Airwolfhound(写真はイメージです)
Photo by Airwolfhound(写真はイメージです)

 陸上自衛隊所属の2人乗り戦闘ヘリAH64Dが、5日午後4時、佐賀県神埼市の会社員・川口貴士さん(35)の2階建て住宅付近に墜落、住宅の一部が焼け、川口さんの長女(11)が避難の際に軽傷を負い、ヘリの乗組員1名の死亡が確認された。

 佐賀県といえば、佐賀空港に陸自が導入する垂直離着陸・輸送機「オスプレイ」の配備計画が難航している。今回墜落した機種はオスプレイと別物のアパッチ・ロングボウ(AH64D)だが、この時期の事故は計画への影響が少なくないと見られる。この住宅地を巻き込んだ自衛隊の不測の事故に、翌5日の朝日新聞(デジタル)も「負傷女児、ショックで口数少なく ヘリ墜落、震える住民」の見出しを付けて、小学校や幼稚園に近い住宅地を飛ぶ陸自ヘリの危険性を訴えた。だが、そんな中、ネット上ではその朝日新聞の報道姿勢にも非難の矛先が向かっているという。

「朝日新聞は、ヘリの危険性を訴える記事に掲載した写真を現場上空から報道ヘリで撮影して物議を呼んでいます。というのも事故や災害のみならず、休暇の大渋滞などが起こるたびに、競って現場に直行する報道ヘリは超低空で轟音をまき散らし、該当地の住民から”オスプレイ化”しているとの非難も増えています。自衛隊のヘリと違い、取材ヘリはどこの所属かも分からず、騒音があってもクレームが入りづらく、SNSに投稿するしかないという現状があるからです。それに、当の朝日は過去に84年7月に毎日新聞のヘリと空中衝突して6人死傷、94年10月にも毎日新聞ヘリと衝突して3人死亡という大事故を起こしています(84年は朝日放送)。また10年には、エンジントラブルで、都内の市街地・板橋区栄町内の空地に不時着して、あわや大惨事の危機もありました」(新聞社社会部記者)

 朝日新聞には「震える住民」の見出しに、記事には住民の「許せない」のセリフも書かれている。だが、その心身傷つきショックを受ける少女や住民、さらに生死も分からず行方不明状態の隊員もいる真上を、爆音を轟かせて、カメラから覗き見するのはいかがなものか。

 気象条件などで飛べないことも多い民間機に比べ、非常時を想定しての悪天候での訓練を行う軍用機は事故率が高い。それゆえ、米軍、自衛隊ともに整備の徹底と経路の見直しを行うべきなのは言うまでもない。しかし、それを問うマスコミにも、襟を正した報道をしてもらいたいものである。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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