ファンについて:ロマン優光連載102 (2/4ページ)

ブッチNEWS

絵本作家なのに作品に全く興味を抱かれていないという事実にのぶみさんが傷ついてしまう可能性もある一方で、絵本作家としてではなく有名人としての自分に対してついたファンだと素直に受け入れて喜ぶかもしれない。さらには不良としての自分の姿を尊敬されたということで絵本を誉められた時以上に喜ぶ可能性だってあります。のぶみさんが例として適切かどうかはさておき、こういう事は相手の気質によって、どう捉えられるかは千差万別。「作品を知らないけどファンです」と言われて「よろしければ作品の方も」と軽やかに営業できる人もいれば、「俺は見せ物じゃない!」といきなりブチ切れる人も、「オスとしての俺の魅力、凄いな!」といきなり自惚れる人もいるわけで、結局のところファンは余計な情報を対象に伝えないのが一番いいのです。 

こんなファンはいやだ

 競技にはまったく興味がないのにスポーツ選手に対してアイドル的な視点からファンになってしまい競技の邪魔になるような撮影をしてしまう人。アイドルの内省的なツイートに対して全く文脈を理解せずに、トンチンカンな文章にとりあえず最後に「好きだよ!」と付けて糞リプを送りつけて、無理解さゆえにアイドルに疲労感を与える人。こういう困ったファンの人もいますが、一応こういう人たちも自分勝手であったり、考えが浅はかであったりするものの「好き」という気持ちは確かにあるのでしょう。しかし、世の中には好意すら別にないのにファンを称する悪質な輩がいるのです。メディアで見たことのあるような人を街で見かけた時に、よく知らないのに「ファンです」といって握手やサインを求めたり写真を撮ろうとする輩です!
 ようやく本題にたどりついたわけですが、よく知らないのにそんなことをするのは失礼だと思うのです。昔、掟さんと二人で街中を歩いていたら「ロマンポルシェ。ですよね! 写真を撮ってください!」という若者が近づいてきたのですが、自分をガン無視して掟さんとだけ写真を撮りやがったのです。この時点でロマンポルシェ。・ファンではなく掟ポルシェ・ファンでしかないわけですが、掟さんに対する呼び掛けが「掟さん」でも「ポルシェさん」でもなく「ロマンポルシェ。」なんですよね。ようするに、彼はロマンポルシェ。

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