絶望9割、希望1割。『恋人たち』で観るカカオ99%の人間模様 (1/2ページ)
今週もおつかれさまです、うすいです。
バレンタインデーから2日が経ちました。本命/義理/友チョコその他もろもろ、あげたりもらったり、それと合わせて関係が進展したり後退したり。「義理チョコをやめよう」という広告や「忖度チョコ」なんてワードが世間を賑わせた今年のバレンタインでしたが、もらう側の人間(時としてあげることもありますが)としては、形はどうあれチョコをもらえるというだけでうれしいものです。
今回は、そんなあまいバレンタイン(ほろ苦い人もいたかもしれませんが)から急降下。 橋口亮輔監督の『恋人たち』で、不器用な人々を観察してみましょう。
妻の死、無関心な夫、気持ちを伝えられない友人
この作品は、3人の「恋人たち」によって展開されていきます。
通り魔殺人事件によって妻を殺され、健康保険料すら支払えないほど貧しいながらも、裁判のために奔走する/翻弄される日々を送るアツシ。機械よりも正確な聴力を持つ。橋梁(きょうりょう)点検がお仕事 出典:映画『恋人たち』公式サイト
自分に無関心な夫とそりの合わない姑と3人暮らし。弁当屋でパートとして勤務し、皇族の追っかけと自作の小説/イラストだけが楽しみの主婦、瞳子。煙草を吸う姿が妙にしっくりくる 出典:映画『恋人たち』公式サイト
自分が他者より優れていると疑わない、完璧主義者の弁護士。同性の友人を密かに想い続けるも、ある出来事をきっかけに、遠ざけられてゆく四ノ宮。画面右。意中の彼に貰った万年筆で、彼から書いてもらった言葉は 出典:映画『恋人たち』公式サイト
三者三様、妻を奪った通り魔と世の中を憎み続けるアツシ。平凡な暮らしがひとりの男によって色づきだす瞳子。仕事柄か、恨みを買って階段から落とされ、少しずつ落ちてゆく四ノ宮。彼ら/彼女らをスクリーン越し(実際にはタブレットの画面越し)に眺めていると、自分の嫌な部分に気づかされます。「ああ、私は彼ら/彼女らよりも、ずっと幸せに暮らしているな」と。