専門医に聞け! Q&A 花粉症の目のかゆみ

週刊実話

 Q:以前から花粉症の症状があります。特に重くはないのですが、目のかゆみに困っています。というのも、鼻詰まりは薬で抑えられますが、目のかゆみには効き目がないからです。何かよい方法がありましたら教えてください。

 A:花粉症の目のかゆみは、目の周りのかゆみと、眼球のかゆみがあります。かゆみは我慢できないので、花粉症の人は花粉が飛散する期間、落ち着かない状態を余儀なくされます。
 花粉症の薬には、内服薬と外用薬があります。内服薬の代表的なものに抗ヒスタミン薬があり、他に抗アレルギー薬、抗炎症薬があります。市販の内服薬には、これら3つの薬を配合しているものもあります。
 花粉症の代表的な症状は鼻炎と目の症状ですが、これらの薬は主に鼻炎の緩和に効きますが、目のかゆみにも効くと謳っている内服薬もあります。

●漢方の小青竜湯がよく効く
 しかし、実際はあまり効かない場合があるようで、目のかゆみに困っている人は少なくありません。また、点眼薬も、必ずしも有効ではありません。
 そこで私は、漢方薬の小青竜湯を処方しています。これは水毒に用いる代表的な漢方薬です。
 漢方では、気・血・水の3つが過不足なく順調に全身を巡ることによって健康が保たれると考えます。水毒は、体の中の水分のバランスが異常になった状態で、花粉症の目のかゆみも水毒によります。小青竜湯は水毒の体質を改善し、目のかゆみを解消します。
 ですから、目のかゆみの予防にも治療にも使えます。ご質問の方も、今年は早めに小青竜湯の服用を始めるとよいでしょう。
 目のかゆみは我慢しがたいものですから、かゆいとつい、かいてしまうものです。しかし、かいたり、こすったりすると、眼球を傷つけてしまいます。できるだけ、かかないようにしたいものです。
 目のかゆみは急に起こるものですが、応急処置として役立つのが、目以外の場所をかくことです。頬骨のあたりをかくと、目のかゆみが止まります。このことも覚えておくとよいでしょう。

山口康三氏(回生眼科院長)
自治医科大学卒業。眼科医、漢方内科医。食事、運動、睡眠などを改善する生活改善療法を指導し、眼科の病気や生活習慣病の治療に成果を挙げている。日本綜合医学会理事長。

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