伊調馨パワハラ問題「薄っぺらな造反説」が有力か

まいじつ

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レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨選手が、選手強化本部長の栄和人監督からパワハラを受けていたという週刊誌の報道が波紋を広げている。

記事では、栄監督からの圧力で「練習もままならない」と発言したとされる伊調だが、その後、所属するALSOK広報部を通じて「報道されている中で、『告発状』については一切関わっておりません」というコメントを発表した。吉田沙保里選手をはじめ、数々のメダリストを輩出した日本のレスリング界で何があったのか。

「アテネ五輪の銅メダリストで伊調を指導していた田南部力コーチが、日本レスリング協会内での自身の扱いに不満を持ち、伊調を利用して造反したといわれています。会社でいえば、栄監督は田南部コーチの上司にあたります。さらには日本体育大学の先輩後輩という関係です。田南部コーチが栄監督の方針に不満を持っていても、意見がすんなりと通ることはないでしょう。栄監督にしてみれば、女子選手の育成に関しては実績と自信がありますから、男子強化委員会の田南部コーチにはあまり口を出してほしくないという気持ちはあったと思います」(レスリング関係者)

協会の上層部は一枚岩

女子選手は男子選手と違い、指導方法も特殊であるといわれている。実際、男子選手は全国各地から有力な選手が輩出されるが、女子の場合は、栄監督が指導する志学館大学(旧・中京女子大学)レスリング部の出身者ばかりだ。2016年のリオデジャネイロ五輪女子レスリングでは全6階級の日本代表すべて、同大学の在学生と卒業生で固められている。

「吉田沙保里を始め志学館出身の女子選手は、監督家族と衣食住を共にし、家族のように生活しながらレスリングの練習をしています。当然、選手のプライバシーに関する部分にも立ち入ることになりますから、指導者によっては『絶対に女子コーチだけはなりたくない』という人までいますよ。栄監督の奥さんは吉田の私生活からマネジメントに至るまで面倒を見ていて、家族ぐるみのバックアップがあってこそのメダルなんです」(同・関係者)

2月28日に日本レスリング協会副会長の谷岡郁子氏はツイッターへ次のように投稿している。

栄監督は、週刊文書が描いているような人物ではないと、私は保証します。口下手で不器用な熱血漢。欠点もあるし、誤解されやすいけど、選手が大事で陰湿ではない。だから、私が創ったレスリング部を二十数年任せてきた。

— 谷岡クニコ (@sgkkuniko) February 28, 2018

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陰湿なパワハラ体質が中心にあって、沙保里はじめこれだけの強くも明るく、爽やかなチャンピオンたちが育つと思いますか?栄監督の指揮の下、高校生、大学生でこの9年余、退部者は1人もいません。事実が人間性の証明。

— 谷岡クニコ (@sgkkuniko) February 28, 2018

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また、同じく副会長で専務理事兼任の元モントリオール五輪の金メダリストである高田裕司氏と栄監督は、同じ日本体育大学出身でじっこんの仲だ。協会上層部は一枚岩だといえるが、果たして弁護士を通して告発状を送った黒幕の今後の出方がどうなるのか、注目が集まっている。

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