大杉漣「66歳の突然死」を招いた腹部破裂「SOSサイン」(3)10万円を抜かれても飲んだ

アサ芸プラス

大杉漣「66歳の突然死」を招いた腹部破裂「SOSサイン」(3)10万円を抜かれても飲んだ

 役者としての分岐点となったのは、みずからオーディションを受けて参加した北野武監督の「ソナチネ」(93年、松竹)との出会いだ。一般作では無名の存在だったが、北野監督に認められ、セリフも増加。やがて、ほとんどの作品で声がかかる北野組の常連となる。

 その「ソナチネ」は沖縄ロケがメインとなるが、大杉にとっては忘れられないエピソードを残すことになる。共演した俳優・勝村政信が、大杉との対談番組で明かしている。

「撮影中、しょっちゅう飲みに行ってましたね。で、どっか若い人が集まる所はないかなぁってことで、聞いたらディスコ。そしたら若い女の子たちがけっこういてね。で、やっぱり合流になって、みんなでワイワイ楽しく飲んでて、ちょっとしたら漣くんが、不思議な動きをして。『どうしたんですか?』って聞いたら、『いや、財布がないんだよ』って」

 さらに勝村は大杉の苦い顛末を語る。

「漣くんが『あぁー! あったあった』って。だけど中を見たら、なけなしの10万円をお姉ちゃんに抜かれてて。そのあとに『あぁ‥‥息子の学資保険を解約する』って言ったんですよ。で、『次の店行こう』って言うんだから大物ですよ」

 同じく北野作品の「アキレスと亀」(08年、東京テアトル)で共演した三又又三も、ありし日の大杉のエピソードを明かす。

「撮影の2~3年後、羽田空港でばったり会って『ミマッチャン電車? 俺に家まで送らせてくれよ!』と。大先輩ですから『いやいや、悪いですよ。自分で帰れますから』と言っても、『俺が今頑張れてるのは、北野監督のおかげなんだからさ、送らせてよ。頼むよ』と言って聞かないので送ってもらうことにしました。お付きの方が運転する車に乗り込みましたが、高速の入り口を間違えて、川崎方面を走ってるんですよ。俺の家は中野だったから反対方向。すると大杉さんも気づいて、俺が場を持たせるために漫談ライブをやりまして。そしたら大杉さん、ずっといい“合いの手”で笑ってくれました」

 男の手本としたい接し方である。合掌──。

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