藤井聡太六段・「異次元出世」で高校生賞金王になる(1)勝利を引き寄せた「焦点の歩」 (1/2ページ)

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藤井聡太六段・「異次元出世」で高校生賞金王になる(1)勝利を引き寄せた「焦点の歩」

 フィギュアの羽生結弦が五輪で「金」を取ったその日、将棋界のレジェンドから「大金星」をあげた藤井聡太六段。プロ入りから初勝利、一般棋戦優勝(六段昇段)と最年少記録を塗り替えてきた天才棋士は、高校生になってどんな「出世街道」を歩むのか。次なる大一番と過熱する「藤井バブル」の先の先を読む!

「藤井の出来がすごくいいな。羽生竜王相手に一歩も引かず、終始攻めの姿勢で立ち向かっている──」

 2月17日、東京・有楽町で行われた第11回朝日杯将棋オープン戦の会場で、準決勝の藤井聡太六段(15)と羽生善治竜王(47)の対局を観戦しながら、藤井の師匠、杉本昌隆七段(49)はそう感じていたという。

 藤井は同トーナメントにおいて、準々決勝で佐藤天彦名人(30)に勝利。続いて、昨年12月に「永世七冠」を達成した羽生と激突するとあり、戦前から高い注目を集めていた。

 公式戦初となる両者の一戦は、開局早々からスリリングな駆け引きが盤上で繰り広げられた。将棋ウオッチャーが解説する。

「先手の藤井が、序盤で角交換して互いに持ち駒にしながら進んでいく“角換わり”の陣形を目指したのですが、羽生はそれを避けて、今の将棋界で流行中の“雁木”に構えました。羽生といえば、進んで相手の土俵に乗って戦うイメージがあるだけに、とても驚きました」

 百戦錬磨の羽生でさえ、一筋縄ではいかない強敵として警戒を強めていたということか。しかし、藤井はさらにその上をいく。

「藤井がハッキリと流れを引き寄せたのは79手目の4三歩。玉と金2枚が利いているところに打った『焦点の歩』でした」(前出・杉本氏)

 焦点の歩とは、相手の駒がたくさん利いているところに歩を打ち込むことで、その対応しだいで相手の陣形を乱したり、または隙を生じさせるもの。「焦点の歩に好手あり」は将棋界の格言の一つだ。杉本七段が続ける。

「歩を打ったタイミングが絶妙でした。直前に羽生竜王は藤井の銀を自身の銀で取っていて、普通の感覚ならその銀を取り返す“銀交換”の流れになるのですが、藤井はそれをやめて、歩を打って王手をかけた。恐らく、さすがの竜王も意表を突かれたと思います。

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