ロンブー田村淳の”青学受験”に見る社会人でも学ぶことの大切さと馬鹿さ加減|文◎やまもといちろう

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Photo by ai3310X(写真はイメージです)
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 先日、「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が青山学院大学の法学部を受験して失敗したというニュースが流れてきました。スポーツ報知では本人のコメント付きの記事を掲載していましたが、後日ロンブー淳が「そんな取材受けてない」とTwitterでクレームを入れているのが物事のドタバタ加減を象徴しているように思います。

■(魚拓)ロンブー淳、青山学院大受験すべて不合格「とても辛くも、青春を味わせてもらった時間でした」

https://megalodon.jp/2018-0305-1728-19/www.hochi.co.jp/entertainment/20180303-OHT1T50292.html

 一般論ではありますが、何かを学ぼうと思って大学を受け直したり、勉強に取り組むというのは良い話であります。また、何事かにチャレンジする姿勢は大事で、たとえ結果がどうであっても「頑張った」というのは次に繋がる何かになりさえすれば、一度や二度の失敗は失敗で終わらないものだと思います。

 それもあって、今回のロンブー淳の件も、みんな結構暖かい視線で見ていたと思うんですよ、本人も意欲的に取り組んでいるであろうし、人気者がまともな意識で大学に入ろうとするのは良い影響を与えるでしょうから。

 ところが、その後のAbemaTVでの番組で出ていた限り、どうも大学受験は今回一度だけで、青山学院大学以外の法学部を受験する気持ちも特にないようです。

 ロンブー淳のすべての意向が伝わっているわけではないのですが、いま出ている話がすべてだとすると、本人に法律を勉強する意志が本物であったとしても、話としては今回の受験で終わってしまいます。もったいない。また、そもそも法律を勉強するにあたって「なんで青学法学部しか眼中になかったの? 日大や中央でもいいんでね?」という気持ちはやはり持ちます。小倉秀夫せんせに教えを乞うロンブー淳とか絵図を想像するだけで胸が熱くなる展開なのに、どうして青学だったんでしょうか。

 また、一部の学習サイトでは、青山学院大学の偏差値は59から71程度とみられ、法学部は66から71であり、指定校推薦もそれなりに狭き門のようです。ロンブー淳受験の煽り文に入っている「偏差値33」というのはどう考えても無理筋の成績であり、そこから2年なり3年頑張って、受け続けて合格率5割あるか無いかというレベルであることが分かります。このニュースを見て、率直に「大学受験なめんな」という反応も少なくないようですし、万が一、どこか大学に入ったとして、どう通学し、卒業するのかが不透明です。

 もちろん、芸能人の大学受験は当然番組の企画や事務所の売り出し方針などもあり、ある種の仕込み、演出であることは想像に難くありません。勉強したり受験したりすること自体は述べた通り歓迎であり、それで話題になりさえすればOKという部分はあるでしょう。ロンブー淳自身が「受験を舐めてるつもりはない」としても、本来はなかなか仕事をしながら受験勉強をするというのは素養があってもむつかしいことではあるので、賛否両論出るのも仕方がない気はします。

 本当に法律を勉強したいのであれば、自身の偏差値に見合った大学選びをしたうえで、通信制学部や民間の法律系の通信講座も利用しながらのし上がっていくぐらいの根性を見せたほうが、誰にとっても良かったんじゃないかと思うのですが。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

文・やまもといちろう

※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。

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