俺たちがシビれた「刑事ドラマ」50年の勲章<直撃1>千葉真一「キイハンター」 (1/2ページ)
68年4月6日──今からちょうど50年前、伝説のドラマ「キイハンター」(68~73年、TBS系)は始まった。5年も続いた高視聴率番組の原動力は、風間洋介こと千葉真一(79)が見せた「誰もやったことのないアクション」にあった。
── 間もなく放映開始から50周年になりますね。
千葉 50年! そんなになるの? いやあ、それはひとつの歴史だね。第1話と第2話は深作欣二さんが撮ってて、俺の役者人生の節目に、必ず深作さんがいるんだよ。
── 監督デビューと主演デビューがともに「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」(61年、東映)ですし、「仁義なき戦い 広島死闘篇」(73年、東映)では、大友勝利という凶暴なキャラを演じています。
千葉 そう、この「キイハンター」も「風来坊──」あたりの無国籍なムードを入れたりね。ただ、原型は「スパイ大作戦」なんだよ。
── なるほど。アクションあり、諜報戦ありで。
千葉 ただ、深作さんと僕とで「あれをやりたい、これもやりたい」ってアイデアを出してたら、1話目の完成が大幅に遅れて。プロデューサーは泣いてたね。
── とにかく、オープニングが「非情のライセンス」のテーマ曲に乗せ、これまで日本のドラマでは見たことのないカッコよさでした。
千葉 タイトルバックで僕は、元新聞記者って設定だからカメラを持ち、車のボンネットで飛んで、空中でパチリと写真を撮っているのかな、たしか。
── 超人ワザでした。そんなアクションの数々で大人気となりますが、「究極のシーン」をぜひうかがいたい。
千葉 いろいろあったねえ、黒人の男と手錠でつながれていて、そのまま脱獄。その手錠を線路に潜り込んで、走って来る汽車で切断させるとかね。運転士さんに「心配いりませんから」って言ったけど、実際は枕木をちょっと削ったりしてね。当時の国鉄に怒られそうだけど、今だから言える話で(笑)。
── 雪山の斜面を転がる、走る汽車の屋根の上に飛び乗るのもありましたが。