地球内異世界探訪。苔むした溶岩があたり一面に広がる「エルドフロインの溶岩原」(アイスランド) (3/6ページ)
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・ヨーロッパにも深刻な被害が生じる
特に被害が甚大だったのはヨーロッパだ。1783年の夏は記録的な猛暑となり、アイスランド上空に生まれた巨大な高気圧が南東の風を引き起こした。
有毒な雲がヨーロッパを漂い、その硫黄化合物などを吸い込んだ何万人もの人が亡くなった。その被害は深刻で、イギリスだけでもおよそ23,000人もの死者が出たという。
さらに気温が上昇するにつれ雷雨が深刻化し、大きな雹で家畜が傷つき死んでしまった。冬は極寒になりイギリスでさらに8,000人もの死者が出た。
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また多くの歴史家が、この一連の穀物の不作で生じた貧困と飢饉が、のちのフランス革命(1789-1799)の引き金になったと考えている。