天才テリー伊藤対談「貴闘力忠茂」(4)貴闘力さんの目線が相撲界に必要だ (1/2ページ)
テリー こうやって話を聞いていると、貴闘力さんは相撲部屋を持っていたら、いろいろおもしろいことをやったんじゃないかと思うんですけど。
貴闘力 もし部屋を持っていたなら、まず整体と飯屋を開きます。大事なお子さんを預かるわけですから、一生懸命練習を何年もやらせて、それでもダメだと思ったらすぐ、「お前は飯屋に行け」「整体に行け」とできる。
テリー なるほど。相撲で大成できない時のことも考えてあげるわけですね。そんなことまで考えてくれる親方って、他にいるんですか?
貴闘力 もちろんいますけど、普通はそこをタニマチに託しちゃうわけです。でも、親方は自分の目で何年も弟子を見ているわけですから、相撲がダメでも「こいつは商売に向いてるな」「ボディガードならできそうだ」みたいなタイプ分けができるはずです。だったら極端な話、ボディガードの会社を作って、引退後の力士も含めてそこで働いてもらうとかね。そうしたことで収益を上げれば、別にタニマチに頭を下げる必要がなくなるわけです。むしろ、そこに頼らなくちゃいけない今の仕組みこそ、変えていく必要があると思いますから。
テリー 外からだと全然わからないんですけど、相撲部屋の経営って、そんなに大変なんですか? 貴乃花親方のところなんか、弟子が9人ですけれど。
貴闘力 9人だと部屋の経営を成り立たせるのは大変でしょうね。正直なところ、赤字だと思います。
テリー ええっ、そうなんだ? 関取が4人いても、ダメなんですか。
貴闘力 関取の数は関係ないんです。弟子1人に対して協会からの援助金の額が決まっていますから。
テリー それって、いくらですか。
貴闘力 正確な数字は知らないですけれど、例えば1人に対して年間200万円だと、40人で8000万円ですよね。