天才テリー伊藤対談「小林克也」(4)アルバムどんどん出しましょうよ! (1/2ページ)
テリー この前、小林克也&ザ・ナンバーワン・バンドの新しいアルバム「鯛~最後の晩餐~」が25年ぶりに出たじゃないですか。聴かせていただいて、あらためて驚きましたけど、作詞が全て克也さんなんですね。これって、やっぱりラジオでの仕事の影響もあるんですか?
小林 ああ、それはあるでしょうね。僕は作詞の勉強は一度もしたことがないんですけれど、英米の音楽を紹介する時は、必ず自分で詞を読んで、「こういうことを歌ってるんだ」というのを理解して、その世界をいつも聴いている人に届けたいと思っていますから。そういうことをもう何十年も続けてきたことは、作詞の助けになっていると思います。
テリー 久しぶりに作詞してみて、書きたいことは変わりましたか?
小林 時代の影響は受けていると思いますけど、基本的にはあまり変わらないですね。例えば僕らの年になると「死」というものが近づいてきてますけど、それこそ死後の世界とか、どんなに科学が進歩しても、未知の世界や未知の領域というのはずっと残るだろうと思うんですね。そういうものが存在しているということが、実はみんなを動かす力になっているんじゃないかな、と。特に芸術の世界は、それが絶対あると思うんですよ。そういう変わらないものがあるかぎり、歌詞の内容というのは大きく変わらないと思います。恋愛の詞なんて、百人一首の時代とそんなに変わっていないはずですよ。
テリー でもね、今は何十万曲の歌が1カ月1000円ぐらいで聴き放題になって、画面を1回タッチするだけでスマホで簡単に聴ける時代じゃないですか。そうすると昔に比べて、音楽が軽くなったというか、ありがたみがなくなった気もしますけどね。
小林 でも、それだって結局はお金を払っているじゃないですか。僕、これ、いつも言うんですけど、昔は飲み屋に行くとギター抱えて「100円で1曲、いかがですか」って言う人がいましたよね。
テリー ああ、“流し”ですね。