企業に莫大な利益をもたらす存在が備える「3つの特性」とは? (2/2ページ)

新刊JP

シリアル・イノベーターは、顧客のニーズを把握し、研究開発を牽引し、市場を調べ上げ、遂行段階においては自らプロジェクトを指揮する。このような人物は、一企業の技術専門スタッフ50~200人に一人程度しかいないという。

だが、これだけのことができる人物を発掘、育成することができれば、企業にとっては金の鉱脈を掘り当てるに等しい成果を上げることができるだろう。

■「シリアル・イノベーター」の特性とは?

そんなシリアル・イノベーターには固有の特性があると著者は指摘する。

まず、「パーソナリティ」として、斬新な技術やプロセスを想像する「好奇心」「直感」「想像力」「システム思考」、長期のプロジェクトを遂行できる「自立心」「自信」「リスクの選択能力」「忍耐力」といった性格や性質を持つ。

次に、「パースペクティブ(ものの見方)」として、「顧客や企業、チームといった関係者全員に共通する価値を尊重し、自分自身よりも優先」「技術はあくまでも事業成功のための手段」「複数事象の関係性を見出し、システム全体を通してシンプルに書き換え、目に見える結果を追求」といった姿勢でプロジェクトに臨む。

そして、「モチベーション」として、新しいものを創造することで人々の暮らしをよくしたいという「内発的報酬」の存在。

この3つの要素が、シリアル・イノベーターを形成しているという。

多大な功績を上げる可能性があるシリアル・イノベーターだが、イノベーション・プロセスの初期段階では傍目からは長い間、何も行われていないように見えたり、官僚的な仕事を嫌う傾向があったりするなど、クセが強いことが示唆されている。

それ故に、マネジメントする側の人間は、細かく管理しようとしたり、リソースを出し惜しんだりせずに、フレキシブルに対応することが必要だと著者は説く。本書は、イノベーションを現場レベルで実現するための大きな助けとなるはずだ。

(ライター/大村佑介)

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