人類の移住史が書き換えられるのか?8万5000年前の人類の指の化石がサウジアラビアで発見される。 (2/4ページ)
これを確かめるために、化石をCTで測定し、ゴリラ、古い猿、アウストラロピテクス・アファレンシス、アウストラロピテクス・セディバなど、ヒトのような指を持ついくつかの種のそれと比較してみた。その結果、ホモ・サピエンスの中指である可能性が高いことが判明した。
発見された8万5千年前のものと思われる指の化石。中指の可能性が高いimage credit:Ian Cartwright
骨は成人のものらしいが、性別ははっきりしていない。また石灰化して、長年乾燥した環境の中にあったことから、DNAが残っている可能性は低い。
・アフリカの動物たちの化石や石器も発見
アル・ウスタは現在砂漠が広がる地域であるが、8万5000年前は淡水の湖があり、カバ、ペロロビス(絶滅した野生の牛)、コブス(アフリカレイヨウの一種)といった動物が集まっていた。またこの地域からは石器も発掘されている。
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しかし、なぜこの時代にアフリカの動物がアラビア地域にいたのだろうか?
可能性としては、季節風による雨が、一帯を川や湖が縦横に流れる湿潤な半乾燥草原に変え、それがサブサハラアフリカで暮らしていた動物を引きつけたと考えられる。
「もちろん、そうした動物を追って狩猟採取民もやってきました」とペトラグリア博士は話す。
そして今後、ネフド砂漠に残された古代の湖の名残りから、初期のホモ・サピエンスがアフリカから移動してきた大型動物を追ってきたという証拠がもっと発見される可能性はある。