独身の高齢者がペットを飼うことのリスクとその対策を解説 (2/3ページ)

心に残る家族葬


かつては日本人のペットの六割を占めたといわれる犬。現在、飼いやすさから人気犬種ランキングの八割は小型犬が占めている。小型犬は散歩も手軽で室内でも気軽に飼える。もちろんトイレも覚えてくれるし、トリミング代も安い。しかし小型犬は大型犬と比べてずっと長寿であることはご存じだろうか。

チワワの寿命は約15歳だが、ラブラドールレトリバーの寿命は約12歳、グレートデンになるとわずか約8歳だ。これは小型犬のほうが管理しやすいということも一例に挙げられる。大型犬にとって日本の家の敷地は狭く、十分な運動をさせにくい。また食事量も多く、健康管理をし辛い。大型犬は臓器の大きさが体に対して小さすぎるため、体の隅々まで酸素や栄養素が行きわたらないという説もある。

長く連れ添ったご主人を亡くし、一人暮らしになった高齢女性に小型犬を飼うことを勧める。確かに精神的に立ち直るためには効果は抜群だ。しかしその犬も歳を取ることを忘れてはいけない。犬も高齢になると介護を必要とするのである。

例えば犬用おむつは人間用に比べて高額だ。病院の医療費ももちろん保険が適用されるわけではない。最近ではペット保険も多く見るが、値段が高いため浸透していないのが現状だ。犬が介護を必要とする十年後、飼い主もまた同じだけ歳を取っている。これでは老老介護である。

■飼い主亡き後のペットはどうなる?どうするべき?

もしペットを残して飼い主が死んでしまったらどうなるか。孤独死した飼い主と一緒に餓死してしまうケースも多い。保護された場合はボランティア団体で引き取り手を探してくれるが、見つからなければ殺処分となる。引き取り手もまた、若い動物を選びがちだ。介護の必要になった高齢犬の引き取り手は、なかなか見つかるものではない。

ではどうしたらいいか。まずは遺言書である。ペットに財産を相続させることは不可能だが、ペットの面倒を見てもらいたい相手に遺産を残す、または遺産の管理を頼むことは可能だ。

まずは「負担付遺贈」からみてみよう。これは「A氏に○円遺すので、ペットの世話を最期まで見てください」という文言を遺言という形で残すことだ。しかし、この場合受遺者は必ず受けなければならないわけではない。
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