失った右腕の代わりにナイフを装着した中世のイタリア男性の遺骨が発見される (1/3ページ)
考古学者によって、中世のイタリア男性の秘密が明らかとなった。その男性はランゴバルド人(6世紀後半にイタリア半島の大部分を支配したランゴバルド王国を築いたるゲルマン系部族)で、切断された右腕にナイフを装着して暮らしていたようなのだ。
6~8世紀頃のものと思われるの骸骨は、イタリア北部にあるランゴバルド共同墓地で見つかった。そこには数百体もの遺体のほか、首のない馬やグレーハウンドなども埋葬されていた。
・治療により右腕を切断
遺骨は40~50歳くらいの男性のもので、右腕が前腕の真ん中あたりで切断されている。
image credit:Ileana Micarelli et al./Journal of Anthropological Sciences
イタリア、ローマ・ラ・サピエンツァ大学の考古学者イリアナ・ミカレッリ氏が率いる研究チームによれば、詳しいことはわからないが、男性は戦闘か事故などで腕を負傷し、その治療のために腕を切断した可能性が高いという。
・ナイフを義肢として使用していた数々の証拠
詳しい検査からは、骨の先端に生物力学的圧力が加わっていた証拠が見つかっている。骨の端に仮骨が、尺骨には骨棘が形成されているのだ。
これは義肢などを装着して圧力が加わった時に形成されるものだ。