世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第268回 ヒトを「安く買い叩く」ために (3/3ページ)
日本の移民問題の本質は、「ここ」にあるという事実に、国民はいい加減に気が付かなければならない。日本の移民問題の本質は、「人口の維持」でもなければ、「活力の維持」とやらでもないのだ。
現在の日本は、少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率の低下を受け、人手不足が深刻化し、失業率が下がっている。「ヒトが大事にされる社会」が近付いているわけだが、だからこその移民受け入れなのである。低賃金でも働く移民が大量に流入すれば、日本人の賃金水準も下がらざるを得ない。
単に「ヒトを安く買い叩きたい勢力が、移民受け入れを望んでいる」という現実を、いい加減に日本国民は理解する必要がある。問題は「ヒトを買い叩き、自分の利益を最大化したい」という、自己中心的な勢力が「政治力」あるいは「情報発信力」をもってしまっていることなのである。
この「現実」を無視し、移民問題の議論や政策が進む限り、わが国は「ヒトが安く買い叩かれる」移民国家まっしぐらだ。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。