AI時代到来で求められる「サービス」の本質とは? (1/2ページ)
「サービス向上」を目標する企業は多いだろう。しかし、その「サービス」を現場で働く従業員やスタッフの経験や勘、スキルに大きく依存しているケースは少なくない。特定の人材に頼っているばかりでは、継続的に質の高いサービスを顧客へ提供するのは至難の業だ。
そんな「サービス」の在り方を根本的に見直し、本質を学べる一冊が『「最強のサービス」の教科書』(内藤耕著、講談社刊)である。
本書では、継続的に顧客から高い支持を得ている企業が紹介されている。
それらの企業に共通するのは、積極的な機械化やIT化、マニュアル化、仕組み化の導入を推進していることだ。
機械化やIT化、マニュアル化といった効率重視の取り組みは「サービス」の対極にあるように思えるかもしれない。しかし、「どこにその取り組みを施すか」というポイントに注目すれば、そうした思いは短絡的だということがわかるはずだ。
日本のサービス産業の代表格でもある、旅館「加賀屋」の取り組みは、そのことを理解する好例だと言える。加賀屋が評価される理由は、徹底した「おもてなし」にある。おもてなしとは、客を手厚く世話することだ。そのために必要なものは何か。
それは、宿泊者のニーズを察知するための接客時間だ。
例えば、加賀屋では、食事の内容や時間、施設の説明をする間に、宿泊客の予定や要望、嗜好を可能な限り聞き出している。こうした客のニーズを満たす情報を得るためには、接客に多くの時間を割く必要ある。
そこで加賀屋は、極力ムダな時間を削れるよう宿泊客からは見えないところにバックヤード動線をつくり込み、自動的に各フロアに料理を運搬するシステムを取り入れた。これにより、客室係は料理を最低限の距離だけ手で運べるようになっている。つまり、接客に仕える時間を増やしているのだ。
■効率的な「仕組み化」でサービス力を上げたクリーニング店もう一社紹介しよう。